究極の英語学習法K/H システム 基本編 (※2001年刊行「K/Hシステム入門編」の新装版) 著者:橋本敬子 国井信一 出版:アルク 発行日:2019/12/12 |
本書が2001年に刊行されてから、10年間ほどでシャドーイング学習が日本に浸透した。
数ある英語学習ガイドの中でも、5本の指に入る重要教材。
ここまで徹底すれば英語は身に付く
シャドーイング、スラッシュリーディングなどの同時通訳式トレーニングを素材付で解説している。(入門編)とあるが、TOEIC650以上の中級レベルが対象。
付属音声CDは2枚で、1枚は学習素材の音声だが、もう1枚は著者2人がシャドーイングを講義している。
実際に講師がシャドーイングをやってみせるなど、類書には見られないほど詳細に学習法を説明している。刊行当時はこのCDの存在に驚いたものだった。
本書の特徴は、少ない分量の英文を時間をかけて徹底的に学習すること。シャドーイング、リテンション、スラッシュリーディングといった負荷の大きいメソッドを繰り返す。
リスニングが苦手な人とか英語力が伸びない人は、今まで本書のように徹底して英語と向き合ってきたのか、振り返ってほしい。
「生半可な英語学習では英語が身に付くわけがない」と気付くことになるので、本書と出会うのは早ければ早いほど良い。
正直いうと、「やや完璧主義的かな」と思った部分もあるのだが、英語が身につくとはどういうことかを学ぶことができる。
自分のシャドーイングをチェックしよう
最近ではシャドーイングなどのトレーニングは常識になりつつある。しかし、漫然と口を動かすだけになってしまっていて効果のないケースも多い。
英語力が伸び悩んでいる人は、本書で自分のトレーニング法をチェックしてほしい。
また、本書では自分のシャドーイングを録音するようにすすめている。自分の声を録音することには抵抗を覚える人も多いかもしれないが、非常に効果のある学習法なので試してみてほしい。
本書のタイトルには「究極」といったタイトルがついている。大げさなタイトルの英語教材にまともなモノはない、というのが通説だが、本書には当てはまらない。
シャドーイングの普及にもっとも貢献した教材で、学習法ガイドの中ではトップ5に入る重要教材である。
(ちなみに、書名にあるK/Hとは著者2人のイニシャル)。
レビュー済のシリーズ
初中級者向けのKHシステム。構文分析を重視している。
その他のシリーズ
→ 究極の英語学習法K/Hシステム入門編 ワークブック(Amazon.co.jp)
:シャドーイングの他にリテンション、ノートテイキングなどを充実。「意味をつかむ」練習に集中。
→ 究極の英語学習法K/Hシステム―発展編 ロジカル・リスニング(Amazon.co.jp)
:英語の話の組み立て(パラグラフ展開)の特徴を学ぶ。上級者用の実践的な内容。おすすめ。