英語は絶対、勉強するな!

英語は絶対、勉強するな!―学校行かない・お金かけない・だけどペラペラ

著者:鄭 讃容
出版:サンマーク出版
発行日:2002/12

母語を介在させずに英語だけで学ぶメソッドを提案。

リーディングに偏った学習をしてきた人に向いているメソッド。

韓国のベストセラーで、日本でも話題になった。

英語だけで学ぶスパルタメソッド

「勉強するな!」というタイトルが話題になった。

本書の内容を忠実に示すなら、「もっと勉強しろ!」となるだろう。幼児が母国語を覚えたように英語を身につけていくので「勉強ではない」、と言いたいらしいが・・・・

本書のメソッドは以下のような流れになる。

  1. 完全に聞き取る:わからなくても徹底的に聞く
  2. 完全に書き取る:ディクテーション(書き取り)をする。
    英語の音声を聞こえたまま真似て発声する。
  3. 語彙や表現は英英辞典だけで調べる。
  4. 生きた英語:映画などの映像作品を上記1~3ステップで学習する。
  5. 多様な英語力:英字新聞を朗読。わからない単語は上記と同様に英英辞典で調べる。

上の手順をよく見てもらうとわかるように、母国語を介さないように学習するのが本書の特徴。

英語の音声をとにかく聞くこと。ディクテーションはとにかく音を聞いてそのまま書き取ってみること。わからない部分があっても音を真似て発声してみること。さらに意味を調べるときにも母国語ではなく英英辞典だけを使うこと。

音に慣れさせ、そこから理解するための徹底的な手法であると考えられるので、この手順で学習する時期が一定期間あってもいい。

特に、リーディングに偏った学習をしてきたために、文法・読解力はあるもののリスニングが極端に苦手な人がいるが、そういう人に向いている。

ただし、「必ず英英辞典を使う」といったメソッドから明らかなように、初心者・初級者には無理があるように思える。

どんなレベルの英語音声を使えばいいか?

本書の学習法で英語を学ぶとしたら、どんなレベルの英語素材を使えばいいだろうか。

ステップ1で用意する英語音声は、自分より少し低いレベルが良いという。

たしかに自分より高いレベルの英語を使って、上記のステップをこなすのは無理がある。

しかし、自分より少し低いレベルの英語素材を使うとしたら、本書の学習法に違ったイメージを持つはずだ。

むしろ、私たちは自分より低いレベルの英語を学習するときでさえ、すぐに母国語に頼ってしまっている。だからいつまでたっても英語が身につかない。

少し簡単に思える英語音声を用意して、それを完全に英語だけで学習する

これが本書の学習法だった。

音から学習する段階を確保する

現在、音読シャドーイングなどの口を動かすトレーニングが主流になっている。

しかし、最初に英文テキストの内容を目から学習してしまって、その後トレーニングを行う人がいる。

一見それが効率的にみえるのだが、聞き取るための苦労をしていないので実際は英語力が伸び悩むことになるのではないだろうか。

本書のように、すべて音からトレーニングをする段階は、どこかに確保しておく必要がある。

英英辞典だけで完結させるべきか

本書の中で、もっとも賛否が分かれるのは、英語の意味を英英辞典だけで学習するところだ。

わからない英単語があったら英英辞典を引く。その中にわからない単語があれば、また英英辞典を引く。

このようにして、いっさい母国語を介在させずに意味を取ろうとするのは、非効率だという意見もある。

ただし、中級レベル以上になって英英辞典を使い始めた人は、自然と本書のやり方になる。いちいち日本語で意味を把握しないはずだ。すべて英英辞典で完結することの方が増えてくる。

英語が上達して自然とそうなる前の段階で、英英辞典を強制すべきかどうか。ここが賛否の分かれるところだ。

当サイトとしては、英英辞典を使い始めてもいい中級レベル以上の人で、英英辞典を使っていない人にお勧めしたい。

中級レベルになれば、英英辞典の語義を読んでもさほど難しくないはずだ。そのレベルに達してから英英辞典をはじめたい。

初級レベル(中学英語レベル)あたりの人には、英英辞典はハードルが少し高いと思う。

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