アメリカ英語口語教本

アメリカ口語教本・入門用(最新改訂版)

著者:W.L.クラーク
出版:研究社
発行日:最新改訂版 (2006/10/6)

50年以上も版を重ねているロングセラー。

発音、モノローグ(英文)、ダイアログ(会話文)、文法・構文、表現練習が効果的に組まれている模範的な教材。

膨大なパターンプラクティスに特徴がある。

模範教材として長年にわたって君臨

60歳以上(還暦過ぎ)の英語上級者は、本書で学習した人が多いという。初版は1959年12月20日なので、まさにレジェンド教材。

なぜ50年以上も昔の教材が未だに健在なのだろうか。その理由を探ってみたい。

本書は各セクションともに、大筋では長文/会話文のリスニングとパターンプラクティスのセットになっている。

特徴的なのは膨大な量のパターンプラクティスで、文法・構文の言い換え練習を徹底的に行うようになっている

たとえば、会話文の中に”Would you like”の表現が出てくる。すると、以下のようにその表現を解説する。

単に、日本語訳を示すのではなく、例文を多用して解説している。

そのうえで、パターンプラクティスがある。

10通りの簡単な言い換え練習をする。

たった1つの表現を身に付けるためだけに、ここまでやるのが「アメリカ口語教本」という教材。

これだけやれば、”Would you like ~” ”I’d like~” をはじめて学んだ人でも「実際のシーンで使えそう」と自信が出てくる。

この調子であらゆる英語表現を身に付けることになる。

なぜ他の教材は代わりにならないのか

会話文や長文の素材を軸にして、そこに出てきた文法・構文・表現を学ぶ「総合英語」形式は、英語教材の定番になっている。

その原点ともいえるのがこのアメリカ口語教本で、本書を真似た類書はいくらでもある。

にもかかわらずアメリカ口語教本が未だに支持されるのはなぜか。

それは、上記で説明したような「圧倒的なパターンプラクティスの量」にある。

他の教材は練習量を減らして「気楽」にしたものが多いため、50年を経過した現在に至っても本書に代わる教材が見つからない。

“Would you like ~”を学ぶときに、解説で終わり、2つ程度の例文で終わり。そんな教材ばかりなのだ。

英語の知識だけをいくら増やしたところで、1つ1つの表現を徹底的に練習するプロセスがないと英語を話せるようになるわけがない

シリーズ選択の手引き

ということで、本書に興味を持った人は、ぜひ試してみてほしい。

→ アメリカ口語教本シリーズ一覧 (Amazon.co.jp)

「入門」から「上級」まで4つのシリーズが出版されているが、どのレベルを選ぶべきだろうか。

まず、「入門」は英語初級者にとって実に手堅い英語教材だと思われる。

ただし、硬派な教材なだけに、ある程度本気で英語を学ぶ人向け。英語に苦手意識をもっている人はもう少し軽めの教材からはじめた方がいいかも知れない。

「入門」と「初級」は、アメリカ口語教本の強みがもっとも発揮されているレベル

しかしながら、英語力のある方は「中級」「上級」を検討する余地がある。これからスピーキングスキルに重点を置きたいなら学習効果があるはず。

ちなみに、アマゾンのカスタマーレビューに「解答が付属されていない」という記述があった。本書は類似パターンの言い換え練習なので、解答は不要のはず。

言い換えるべき英語がわからないなら難易度が適していないので、「初級」→「入門」のようにレベルを下げてみよう。

話せるようになることが狙いなので、簡単に感じるくらいのレベルからやるのがお勧め。その方が学習もスピーディになるし、効果も高い。

   

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