これからの英語学習の話をしよう!: AIが変えた英語教育の新常識 著者:デイビッド・セイン, 今泉麻衣子, 原貴浩 出版:InteLingo 発行日:2023/6/25 |
AIを使った英語学習をガイド。
chatGPTを使った具体的な学習方法を解説している。
これからの英語学習は大きく変わる。
AIの使い道
「生成AI」は2023年から話題になっているが、英語学習にchatGPTを使っている人はまだ少ないはず。
本書は、具体的にどのような英語学習が可能かを解説している。
基本的な使い道は以下のとおり。
- Q&A(「この英文は英語として正しいか」を聞くなど)
- 翻訳(解説もつけられる)
- 英作文・英文メール(テーマに合わせた英文を作ってくれる)
- 英文添削(自分の書いた英文の間違いを訂正し、文法解説もしてくれる)
- 英会話(テキストによるチャットが基本だが、拡張機能を使えば音声も)
- スピーキング(発音チェックも可能)
- リスニング(拡張機能を使えばスピードを変えてリスニング学習)
- 問題の作成と解説(TOEICなど問題を出してくれて解説も)
- 英文の要約(動画の要約も)
- 単語リストの作成(「TOEIC700レベルの単語を教えて」など)
- 表組みの作成(「単語の日本語訳と発音記号をつけて」など)
- アイデア出し
工夫次第でありとあらゆる英語学習が可能だ。
本書は実例付きで上記のような使い道を解説している。
AIはまだまだ発展途上だから、英語学習が大きく変わることは間違いない。
英会話をしながら添削も
もっとも単純な使い道として、チャットでの英会話がある。
「ケーキを焼くのが好きです」と伝えたら、「それは素晴らしいですね!どんなケーキを焼くのが好きですか?」と応えてきた。
AIは単に応えてくれるだけではなく質問もしてくれるから、ごく自然に英会話を続けられる。
自分の英文に自信がなかったら、「(自分の英文)は自然な英語ですか?」と質問すれば、そのたびに添削してくれる。
まさに英会話教室でマンツーマン指導を受けているイメージ。
ネット検索より簡単
本書の応用編では、英語日記の学習についても解説されていた。
「今日はとてもいい天気でした」を簡単な英語でいくつか教えてください
こう入力すれば、5つの英文例を示してくれる。どんな内容でも英文を教えてくれる。もちろん、自分で書いた英文の添削もしてくれる。
英語で日記をつける学習に欠かせない相棒になりそうだ。
ネットで検索しても同じ結果が得られると思うが、検索結果から選ぶ手間がある。AIに教えてもらった方が簡単だ。
本書はこのようにchatGPTを使った様々な学習法がガイドされていた。
AIはアウトプット学習に効果的
AIを使った英語学習は、チャット英会話とかライティングのようなアウトプットに効果的だと思われる。
chatGPTの補助があれば、英語レベルを問わずにどんな人でもアウトプット学習が可能だ。
英語学習の本命はオンライン英会話だが、AIとチャット英会話しておけばそのリハーサルになる。
いずれは、AIとの音声会話がオンライン英会話に置き換わるかもしれない。
インプット学習はまだまだ既存教材に軍配
インプット学習については、AIを利用するメリットが少ない。
「TOEIC700レベルの問題を作ってください」と指示すればAIが作ってくれるが、TOEICの教材を買って、問題と解説をまとめて手に入れる方が簡単ではないだろうか。
物語の英語素材がほしいときには、AIに英語ストーリーを考えてもらうよりも、市販のストーリー教材を買った方が満足感が高いはず。
AIは文法の解説もできるが、市販の優れた文法教材より品質が低ければ意味はない。
現状では、インプット学習については、自分の好きな英語教材・素材を買った方が適切だと思われる。
ただし、いずれはインプット学習でもAIが力を発揮するようになるかもしれない。その日は近いかもしれない。