A4一枚英語勉強法

書籍教材
A4一枚英語勉強法 見るだけで英語ペラペラになる

著者:ニック・ウィリアムソン
出版:SBクリエイティブ
発行日:2021/1/20

英会話のコツを身につける本。

英語の型を身につけることで、英語が口から出てくるようになる。

著者は、人気講師ニック・ウィリアムソン氏。

A41枚の中に英語の型がまとまっている

日本人が英語を話せない理由は何か。それは「日本語を脳内で訳す」から。

なぜそうなってしまうかといえば、英語の型が身についていないからだという。

そこで本書では、英語の基本的な型(フレームワーク)を学ぶ。その基本的な型はA41枚にまとめられている

本書は、このA41枚にまとめられた型にそって学んでいく。

  1. 4つの時制を学ぶ。ここが一番重要。
  2. (1)の動詞を入れ替えてみる。
  3. (1)で形容詞の文を作ってみる。
  4. (1)の文の前に付け足す。
  5. (1)の文にもう一つの文をつなげる。
  6. (1)の文の後に付け足す。

この型を身につければ、数千通りの英語がスラスラ出てくるようになるという。

本書で学ぶことが、すべて最初にまとまっている。

さっそく中身を見てみよう。

時制こそ最大のボトルネック

著者のニック氏は20年以上にわたって日本人に英語を教えてきた。その経験から、「なぜ日本人は英語が身につかないのか」について知り尽くしている。

もっとも大きな問題は、時制だという。

なぜ日本人は英語の時制が苦手なのか。それは、日本語と英語の言語的な違いにある。

日本語は単語によって時制を示すために時制をあまり意識しない。逆に英語では動詞で時制をわけるため時制を常に意識する。

この大きな違いがあるために、日本人はどれだけ勉強しても英語で話せない。

この点については、ニック氏は「中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本!」でも強調している。本書と重なる部分も多いが、練習法が異なるのでどちらも試してほしい。

日本人が英語を話すためには、徹底した時制のトレーニングが欠かせない。

すべての章で時制を徹底練習

1章から3章で、4つの時制を練習したり、動詞や形容詞を入れ替える練習をする。

そして4章では、文の前に英語を付け足してみる。

It’s too bad ….
I’m glad …
I can’t believe …
It’s not like …

単文の左側に「かたまり」を付け足すだけで、表現の幅が一気に広がる。ここでも時制をしっかりと練習する。

5章では、文と文をつなげる。

if , when , beforeなどで、文をつなげる。ここでも時制をしっかり学ぶ。

各章にクイズがあって、時制をしっかり確認しながら英語を作る。

たとえば、以下の文章を英語にするクイズ。

「いつも会社へ行く前にジムに行ってます」
「会社へ行く前にジムに行くつもり」
「会社に行く前にジムに行った」

中学レベルの簡単な内容ながら、時制がきっちり身についてないとすぐに出てこない。特に3つ目の文は、日本語につられて間違った英語を作りがちだ。

こんなクイズを大量に行う。すべて時制を意識して練習する。

最後の6章では、単文の最後に付け足す練習。

形容詞を付け足したり、withで付け足す。これも表現の幅を大きく広げる。

本書で学んだ「英語の型」があれば、基本的な英会話は問題なくこなせるようになる。

文法パターンプラクティスの限界を超えるために

文法の基本練習として、パターンプラクティスがある。時制だったら、現在形、過去形、未来形の英語をたくさん作る。

こういったパターンプラクティスは、基本的な文法事項を身につけるために必要となる。

しかし、そのような練習をしても、いざ英語で話そうとしたときに不思議なほど英語が口から出てこない。

なぜなら、自分が言いたいことが、「現在」なのか「過去」なのか「未来」なのか意識していないからだ

本書は、文法パターンプラクティスの限界を超える英会話のノウハウとなっている。

文法パターンプラクティスを一通り終えても、思ったほど自由に英語が話せないことに気付いた人は、本書を試してほしい。

すべての高校生に配りたい

多くの高校生は、中学校で3年間英語を勉強してきたのに、英語が口から出てこない状態だと思う。

頭の中で日本語を英訳しているかぎり、いつまでたっても英語を話せるようにはならない。

足りないのは、本書で主張している「英語の型」そして「時制の徹底練習」だ。

本書の学習効果には太鼓判を押したい。あらゆる英会話ガイド(英会話のコツ)の中でも指折りの良書。

日本のすべての高校生に本書を配れば、誰もがそれなりに英語を話せるようになるのではないか。

英語をやり直している大人の方も、ぜひ本書を手にとってほしい。

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