Listen&Repeatのトレーニング概要
Listen&Repeat(リッスン・アンド・リピート)は、英語を聞いて(Listen)、復唱(Repeat)するトレーニング。
英語の音声を聞いて、何も見ないで、聞き取れた英語をすぐに発声する。
いわゆるシャドーイングのこと。(リテンションを指すこともある)
近年、このタイプのトレーニングは「シャドーイング」と呼ばれるようになり、「Listen&Repeat リッスンアンドリピート」という呼び名はほとんど聞かれなくなった。
Listen&Repeatとシャドーイングの違い
かつて一部で実践されていた Listen&Repeat は、近年普及しているシャドーイングと比べると、少し違った印象がある。
シャドーイングは復習でやっている人が多い
近年普及しているシャドーイングは、最初にテキストを見て意味を確認し、音読トレーニング等をして、最後に仕上げとしてシャドーイングをすることが多い。
初級から中級くらいまでの英語学習者は、いきなりシャドーイングをやろうとしてもまったく歯が立たないので、理解している英文にたいしてシャドーイングを行っている。
中級レベル以上は、いきなりシャドーイングを行うこともある。
Listen&Repeatは予習で使われる
Listen&Repeatの場合、中級レベル以上のシャドーイングと同様に、最初に英文は見ないで、音声だけを頼りに「聞こえた英語を口から出す」ことを続ける。
数日間は英文を見ないで、ただListen&Repeatを繰り返すこともある。
最初から音に慣れさせるのがListen&Repeatの特徴。
Listen&Repeatは英文を確認しないこともある
シャドーイングの場合、完璧にシャドーイングできるまで繰り返すのが通常。
それにたいして、Listen&Repeatは英文で意味を確認しないこともある。あくまで聞こえてきた英語を口にするトレーニングを指す。
英語ラジオを聞いて、単に聞き流すのではなく、どうせならListen&Repeatする・・・といったイメージで実践することがある。
(シャドーイングと同様に、完璧にListen&Repeatできるまで同じ英語を繰り返し聞くケースもある)
Listen&Repeatのメリット
英語の音声をただ聞き流していると、脳の中で雑音として流れていってしまう。
聞こえてきた音声を口に出すことで、英語の音を確実に把握するトレーニングとなる。
言葉を覚え始めた幼児が、耳にした言葉を復唱するのと似ている。脳に音声情報を刻み付けるためには、自ら発声することが欠かせない。
また、シャドーイングと同様に、ナチュラルスピードで英語の意味を把握する練習にもなる。
Listen&Repeatの教材
注)Listen&Repeatは英語の音声があればどの教材でも練習可能なので、自分のレベルと興味にあった教材で行うのがベストです。 また、シャドーイングやリテンションの教材も使うことができます。
以下は参考まで。
松崎博氏のListen&Repeatシリーズ
Listen&Repeat 使える英語を身につける 著者:松崎 博 出版:ジャパンタイムズ 発行日:2000/10 |
Listen&Repeatの効用を熱く語り、学習法を解説。トレーニングで使う英文(音声)も付いている。
調べた限りでは、”Listen&Repeat”をタイトルに冠した書籍はこのシリーズだけ。本書でListen&Repeatを実践して、英語力を付けた人も多いはず。
ただし、本書の学習法解説は、ページ数が多いうえにステップ分けしているわりには、大雑把な内容となっている。もともと”Listen&Repeat”は、「聞いて復唱する」だけのトレーニングなので、解説することがあまりないのだろう。
英語は絶対、勉強するな!
テキストを見ない状態で英語の音声を聞いて、復唱することを提案している。母語を介在させない点に特徴がある。
幼児が英語を覚えたように、徹底して英語に馴染ませる手法。英語習得において、学習段階のタイミングが合えば効果がある。
本書を一言でいえば、Listen&Repeat とディクテーションの勧め。