「聞いて覚える」がコンセプトの英単語教材「キクタン」。
レベル別英単語の他、TOEIC、英検、英会話など、膨大なシリーズが発行されている。
すべてのタイトルに音声が付いている。
Amazon一覧 → キクタン
アルク公式サイト → キクタンファミリー
特徴1:聞いて覚えるためのチャンツ
キクタンの最大の特徴は、音声がチャンツで吹き込まれていること。
音楽に合わせて単語と訳が読み上げられる。
チャンツで吹き込むメリットは、単調さがなくなるので、長時間にわたって聞き続ける気になること。
英単語を「聞いて覚える」というコンセプトの核となるのがチャンツ。
音声付きの英単語帳は山ほどあるが、チャンツで吹き込まれた英単語帳はキクタンだけだと思われる。
特徴2:1日〇語というスケジュール学習
キクタンの大きな特徴として、1日の学習量が前もって指定されていること。
タイトルによって異なるが、1日8語~16語を学習することになっていて、2ヶ月ほどで完成するようになっている。
前もってスケジューリングされていると、英単語学習を継続しやすい。
1日の学習量も少ない。わずか2分~15分程度で、挫折を防ぐ設定になっている。
特徴3:目と耳で学習するだけでなく、口と手も使う
英単語を覚えるためには、テキストを見たり、音声を聞くだけでは不十分。
キクタンは口と手を使うことを推奨している。自分で発声すること、手で書くこと。
音声を聞いて、自分で発声することで、英語は覚えられる。タイトルによっては、書き込むコーナーも用意されている。
特徴4:フレーズとセンテンスもある
英単語と日本語訳を1対1で覚えるわけではなく、フレーズやセンテンスも学習する。
たとえば、「改訂版キクタンEntry2000」の場合。
arrive だったら、「(~に)着く」という日本語訳だけではない。
フレーズで
arrive at a station (駅につく)
センテンスで
I arrived in Seattle the day before yesterday.
(私は一昨日、シアトルに着いた)
このようにarriveを使った例文を学ぶことになる。すべて音声付き。例文を聞いて、音読することを勧めている。
例文1つを取っても、非常によく考えられたものばかりで、キクタンが人気教材なのも納得だ。
(上記は改定版だが、2022年に改定第2版がリリースされている↓)
改訂第2版キクタン【Entry】2000語レベル[音声DL付](Amazon.co.jp)
以下、シリーズの中からいくつか実際に中身をご紹介したい。
「キクタン TOEIC」の中身
キクタンの中でも人気シリーズとなっているTOEICをご紹介したい。
「聞いて覚える英単語キクタンTOEIC Test Score500」(Amazon.co.jp)
TOEIC500を突破するための初級向け単語帳。
- チャンツCD2枚付属
- 1日8語で8週間
- 1日最短2分、最長15分
なんとも無理のない学習量で、これなら続ける気になるかも知れない。
左ページは、英単語と意味。そしてフレーズ。
右ページは、英単語とフレーズを書き込む。
めくったページが以下。
センテンスとなっていて、CDを真似て音読する。右ページは、空欄に書き込むようになっている。
このように、英単語、フレーズ、センテンスをセットにしながら、1日8語ずつ覚えていく。
英語が苦手な人も1日8語ならやる気になるはずだ。
少しずつでも英語に触れていけば、どんどん自信がついていく。
「キクタンビジネス」の中身
次に、キクタンビジネスの中身をチェックしてみよう。
「キクタンビジネス Super」(Amazon.co.jp)
ビジネス英単語を覚える。全レベルが対象。
- 1日16単語・熟語、7週間で784のビジネス語彙をマスターする
- ジャンルは、「経済・景気」「仕事・人材」「製造・製品」「販売・流通」「金融・不動産」「IT・通信」「法律・税制」の7章。
- チャンツCD2枚付属
- 1日2分~6分の学習
キクタンビジネスは、フォントが小さめ。
見開き2ページで、「英単語」「日本語(+派生語)」「フレーズ」「センテンス」がびっしりと盛り込まれている。
見開き2ページで8単語なので、1日4ページ16単語を学ぶ。
知っている単語があっても、フレーズやセンテンスを学ぶつもりで一通り学習しよう。
キクタンビジネスも「英単語・フレーズ・センテンス」の3セットで学ぶので、基本的な構成は他のキクタンと同じだ。
非常によくできた単語帳なので、ビジネス英語を学んでいる方にお勧めしたい。
キクタン英会話の中身
「キクタン英会話」は、英単語ではなく会話表現を学ぶ。
コンセプトは同じで、「聞いて覚える」こと。
単に「キクタン」ブランドを転用しただけの教材ではない。通常のキクタンシリーズに負けないほど優れた内容となっていた。
「キクタン英会話【初級編】」(Amazon.co.jp)
英会話の重要フレーズを学ぶ。
- 1日8フレーズで20日完成。160フレーズを身に付ける。
- チャンツでフレーズを吹き込んでいる。
- ダイアログも学ぶ。
- フレーズのバリエーションも学ぶ。
基本的にはフレーズとダイアログのセットで学ぶ。
左ページは、チャンツで覚えるフレーズ。
それぞれのフレーズには解説もついている。単にフレーズが並べられているわけではなく、1フレーズごとに解説を読むので、まったく単調ではない。
右ページはStep2で、ダイアログを聞く。ワンフレーズずつのやり取り。Step3はロールプレイをする。
なかなかよく考えられた構成ではないだろうか。
単にフレーズを羅列した教材に比べて、キクタン英会話はチャンツ、ダイアログ、ロールプレイという工夫がある。
本書には、フレーズバリエーションのコーナーもあって、41のフレーズについて単語を入れ替えたフレーズを紹介している。
例文はすべて音声付き。1フレーズごとにワンポイントの解説があるのも良い。
I’m sure ~とか、That’s why ~、Are you saying ~などなど。応用の効く重要表現が身につくことは間違いない。
キクタン英会話には、「海外旅行編」「オフィス編」「おもてなし編」など多数のシリーズがある。ぜひ試してみてほしい。
キクタンはおすすめシリーズ
このページで紹介した3冊は、キクタンの中のほんの一部。
とにかく膨大な量のキクタンシリーズがあるが、「チャンツ」「スケジュール」あたりの特徴はどれも共通している。
どれもなかなか優れた教材になっている。
キクタンシリーズで語彙力をつけて、「役に立った」と思っている人が多いからこそ、人気のシリーズとなっているはずだ。
英語の音声をしっかり聞いて記憶に残ること、1日わずかな学習量で挫折しないで済むこと。このあたりが人気の秘訣だろうか。
ぜひ試してみてほしい。
読み放題対象タイトルが多い
現在2018年10月の段階では、Amazon Kindleの読み放題 Kindle Unlimited 対象となっているタイトルが多かった。
月額980円のKindle Unlimited に加入すると、多数のキクタンが読み放題になる。
音声DL版と書いてあるタイトルなら、アルクのHPで音声をダウンロードできる。
CD版は、書籍版を購入しないと音声がないので要注意。