ディクテーションの学習法と英語教材

ディクテーションのトレーニング概要

dictation (ディクテーション)とは、「書き取り」のこと。英語の音声を書き取る練習。

音で聞いた英語を完全に字で再現しなくてはならないので、リスニング学習としては負荷が大きい。

脱サバイバル・イングリッシュ

初級から初中級の方は、サバイバル・イングリッシュになっていることが多い。

サバイバル・イングリッシュというのは、どうにか聞き取れたいくつかの英単語から適当に内容を類推する状態。

海外で目的地にたどり着かなくてはならないときに、初心者がなんとかコミュニケーションをとろうとして行うような英語のこと。

英語の全文を再現するディクテーションは、この段階から抜け出せる有効なトレーニング。

ディクテーションの一般的な手順

  1. 英語音声を一センテンスだけを聞く。((注)文章ではなく、一文だけ。複数文を聞いて要約を書くのは上級向きの別のトレーニング)
  2. 聞き取れた部分だけでも書き出す。単語綴りの間違いは最後に訂正すればよい。筆記した文章が、主述の関係、時制、冠詞を含めて文章として成り立っているかに注目する。
  3. しっかり書き取れるまで50回でも100回でも一センテンスだけをCDで聞くことになる。ただし、書き取りを始めるのはそのセンテンスを最後まで聞き取ってからにする。CDを途中で止めて書き取ってはいけない。
  4. 最後にテキストを見て確認する。間違えた部分については、なぜ自分は正しく書き取れなかったかを何度も検討する。

ディクテーションの注意点

実力より高いレベルの教材は避ける

知らない単語がたくさん出てくる文や、自分の実力を越えた構文が使われるような英語のディクテーションはもちろん無理。

自分の実力より簡単な教材で学習しよう。また、英語力にもよるが、最初のうちは短い文章のディクテーションからはじめよう。

量より質

ディクテーションの目的から考えてみても、多くの量を適当にやったのでは意味がない。少ない量でいいからしっかり行う。

初級レベルだと1センテンスのディクテーションをするのに20分かかることも多い。

時間を制限

ディクテーションは時間をとるので、常にこればかりやるのは逆に非効率。

ある一時期に集中的にやってみるか、もし定期的にやるなら時間を制限する。

ディクテーション学習のポイント

ディクテーションには3つのねらいがある。

  1. 英語を音から理解する。
  2. 英語を単語ではなく文として理解する。
  3. 英語を記憶する。

1.英語を音から理解する

テキストを見て字で学習してばかりいると、ごく簡単な英単語でも音を聞いてわからないことがある。音で単語を理解する練習になる。

また、前置詞や冠詞など弱く発音される部分、音の欠落や連結などにも注意が向くようになり、聞き取り能力があがる。

2.英語を単語ではなく文として理解する

主語、述語といった文法構造を聞き取る練習になる。単なる単語の羅列ではなく、構造をもった一つの文として聞き取ることができるようになる。

時制といったような見落としがちな点にも注意が向くようになり、確実にその英語の内容を聞き取る癖がつく。

3.英語を記憶する

中級程度のレベルだと、英語は聞き取れてもその直後にすぐ忘れてしまうケースが多い。文章をしっかりイメージに結びつけて記憶しておく練習になる。

一文をきいたあと、音の記憶を頼りにすぐに書き取りをはじめないで、まず内容についてイメージしてから書き取りをするように心がけたい。

ディクテーションの教材例

注)ディクテーションはCDとテキストがあればどの教材でも練習可能なので、自分のレベルと興味にあった教材で行うのがベストです。 以下は参考まで。

えいご漬け (ソフトウェア)
ディクテーション(書き取り)をベースにしたソフトウェア。音声で聞いた英語をタイピングする。一文単位のディクテーションが非常にやりやすい。2000年代に圧倒的な人気を誇ったソフト。PC用だけでなく、ニンテンドーDS用もある。

iKnow! 英語学習サービス
英語学習サイト。ディクテーション問題も豊富に用意されている。単語の暗記クイズは単調だが、ディクテーション問題は非常に有用。クラウドサービスなので、どの端末からでも練習可能。かつて無料だったが、現在は有料化されている。

英語の音声を聞き取って、空欄を埋める。本来だったら全文のディクテーションが望ましいが、初級の人にとっては空欄を埋める形式の方が入りやすい。音読練習も組み合わさっているので、初級の人の教材として適切な編集がなされている。

「日本人は英語のここが聞き取れない」のレビュー

アルクのヒアリングマラソンからスピンオフした教材。他の学習者から寄せられたデータを基にして、共通して間違えやすいポイントを解説する。学習のモチベーションをあげる工夫になっている。

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