Google 英文ライティング: 英語がどんどん書けるようになる本 著者:遠田和子 出版:講談社インターナショナル 発行日:2009/12/9 |
Google検索をフルに使った英文ライティングをガイドする。
ライティングでわからないことがあったらGoogle検索ですぐに解決。本書の内容は、英文ライティングにおいて欠かせない知識。
著者は、ライティング教材でお馴染みの遠田和子さん。
Googleはライティングの基本ツール
ちょっと迷ったらGoogle検索。
日本語での検索は当たり前となっているが、英文ライティングのときに使っているだろうか?
本書の内容は英文ライティングで欠かせない検索スキルなので、知らない人がいたら今すぐ一読してほしい。
たとえば、「この変化の原動力」と書きたいとしよう。
driving force ( ) this change
( )の部分の前置詞がわからないとする。
当然、Google検索すればいい。
“driving force * this change”で検索
フレーズは””(ダブルクオーテーション)でくくる。そうしないとフレーズと認識されずに、複合検索になってしまう。
わからない部分に*(アステリスク)を入れる。ワイルドカード検索によって、この部分に何が入ってもよいことになる。
この検索を行うことで、ウェブ上でこの部分にどんな前置詞が使われているのかわかる。
実際に検索してみたら、of,behind,forなどの前置詞が使われていた。
そこで、それぞれの前置詞を入れたフレーズで検索してみる。
- driving force of this change : About 310 results
- driving force behind this change :About 62,300 results
- driving force for this change : About 636 results
検索結果のヒット数をみると圧倒的にbehindが使われていることがわかる。
「この変化の原動力」というと、日本語の感覚では of が思い浮かぶが、相応しい前置詞は behind だとわかる。
このようにちょっと疑問を感じたらすぐにGoogleで解決できる。
ちなみに、以前レビューした「ネイティブが教える英語の動詞の使い分け」という本では、英単語の使い分けを判断するときにGoogle検索を使っていた。
正解を探すのではなく選ぶのがポイント
もっと踏み込んだ使い方についても紹介したい。
たとえば、以下の内容を英語で書きたいとしよう。
私たちは地球温暖化を何とかしなければならない。
どういった動詞を使えばいいのかわからない。
そこで、以下のようにGoogle検索してみる。
“we have to * global warming”
ウェブ上では、*(アステリスク)の部分でどんな動詞を使っているのか。そこを検索する。
すると以下のような動詞が使われていることがわかる。
- we have to slow global warming :遅らせる
- we have to worry about global warming :心配する
- we have to fight global warming :闘う
- we have to combat global warming :闘う
- we have to stop global warming :止める
- we have to halt global warming :止める
- we have to reduce global warming :減らす
- we have to restrict global warming :抑える
ウェブ上ではこんな英文が使われている。
この中から、自分が書きたい意図に照らし合わせて、英単語を選べばいい。
間違っても「何とか」という日本語から英単語を探してはならない。不自然な英文になるだろうし、時間もかかる。
Google検索した結果の中から英単語を選ぶのが一番だ。
具体例で解説するからイメージしやすい
本書の内容は、知っている人にとっては常識かも知れない。しかし、実際に英文ライティングでGoogleを使いこなしている人はそれほど多くないのではないか。
本書には上記のような具体例が山ほどあり、英文ライティングでGoogleを使うイメージがよくわかる。
どんな英文でも書けそうな気がしてくるので、今までライティングでGoogleを使ってこなかった人はぜひ一読してほしい。
英語の学習法も変化する
「村上式シンプル英語勉強法」でも書かれていたが、日本語ネイティブにとって英語ライティングのハードルは高い。
いくら勉強してもネイティブのように書けるようにならないし、書けるようになる必要はない。
英借文によって、元の英文をアレンジすればいい。
英語の文例を検索するのはもちろんだが、本書「Google英文ライティング」のように検索を繰り返すことで自然な英文はすぐに作れる。
今後は、ネイティブを目指すような無駄な英語学習は廃れるはずだ。あらゆるツールを前提とした英語学習へと変わっていくだろう。