英文メールのAtoZ


場面別・トピック別に英文メールを解説。

「英文メールのABC」(基本的な書き方)からはじまって、「紹介・業務連絡」「問い合わせ」「パーソナル」「交渉」といったテーマで48の文例を載せている。

本書は、2011年度後期のNHKラジオ「入門ビジネス英語」をまとめた書籍。

登場人物が存在する英文メール教材

英文メールの教材はたくさんある。どれも似たようなものだと思われがちだが、本書には独自の工夫がある。

工夫のひとつは、登場人物が存在すること。主人公の竹田悟郎とその周囲の人物たちのメールとなっている。

英文メールの全文例で、送り手と受け手の状況が書かれている。

上記は「製品の問い合わせ」メールの文例だが、登場人物の状況が書かれている。

ハッピー電子機器の村山敬子さんは、オフィスのコピー機が古くなってきたため、メーカーの担当者にお勧めの製品を問い合わせます。

このようなメールの背景説明があることで、文例の中身が推測できるから、実際に読んだときに頭に入ってきやすい

他の英文メール教材は、何の説明もなく、いきなり文例が書かれているが、無味乾燥でつまらなく感じられる。

登場人物の存在は、一見すると些細なことだが、他の教材も真似してほしい優れた工夫だった。

「メールに書くこと」がわかる

本書は細かい英語表現にこだわることなく、「何を書くべきか」「注意点は何か」を解説している。

上記画像は、「返品・交換依頼」のメール文例だが、右ページの解説部分に注目してほしい。

本書で解説しているのは以下のようなこと。

  1. 対応な必要なメールだと件名からもわかるようにする。
  2. 商品の名前や購入日、購入場所などを簡潔に伝える。
  3. 何が問題なのかを明記する。
  4. 今後どう対処してほしいか伝える。
  5. 受注番号や製品番号など、必要な情報を伝える。
  6. 最後にもう一度、行動を促す。

つまり、細かい英語表現がどうこうではなく、「返品・交換依頼の英文メールに何を書くか」を解説しているのだった。

英文メール教材を必要とするビジネスパーソンが、一番知りたかったことではないだろうか。

実際のビジネスでメールが使われる状況は千差万別だ。いくら細かい英語表現を解説してもらっても、そのまま使えるとは限らない。

むしろ、「何を書くか」という俯瞰的なポイントをきっちり解説してほしかったのだった。

本書は、48の場面・トピックで「何を書くべきか」を解説している。

各トピックの応用表現もしっかり収録

「何を書くべきか」を解説しているから、英語表現は抜け落ちているかといえば、そんなことはない。

本書には、各場面・トピックの応用表現もある。

メールで使われる英語表現を挙げ始めたらきりがないし、ネットで検索もできる。

しかし、そうはいっても、適度に応用表現を載せてもらって目を通すことで、学習効果が上がる。

本書は、適度な量の応用表現を載せている。

英文メール教材の傑作

ということで、本書は数ある英文メール教材の中でも傑作のひとつ。

何度も書いてきたが、NHKラジオ英語講座のまとめ書籍は優れた教材が多い。

本書の終わりに、著者の森住史氏がこう書いている。

この本ができ上がるまでに6か月間のラジオ講座という行程を経てきたからこそ、見えてきたことがいろいろありました。

いきなり1冊の英文メール教材を執筆しようとしても、なかなか本書のような教材はうまれない。

半年間、ラジオ講座の中で解説し、後になってそれを1冊にまとめるからこそ納得のいく一冊がうまれる。

英文メールの文例集を探しているビジネスパーソンに向けて、自信をもって本書を勧めたい。

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