由来とつながりがわかる 英単語語源マップ 著者:臼井俊雄 出版:ベレ出版 発行日:2017/6/22 |
語源で英単語を学ぶ本。「語根」別に派生語の由来を解説する。
例文も多く、由来の解説も詳細。語源に興味がある人におすすめ。
21種類の語根を学ぶ
英単語は、「接頭辞」+「語根」+「接尾辞」の組み合わせからできている。
たとえば、「語根」が vert (回る、向ける)の場合、それに con(共に),ad(~に) などの接頭辞がついて、convert,advert のような一つの単語なる。
それをマップにしたのが以下。
本書は、英単語の中心となる「語根」を21種類学ぶ。そこから派生する語・関連する語の総数は1600語におよぶ。
語源は読んでいて楽しい
本書のほとんどのページは、辞書のように英単語が並んでいる。
以下、語根 vert(回る・向ける)に接頭辞 ad(~に)がついたadvert「注意を向ける」の部分。派生語がズラッと並んでいる。
辞書だったら片っ端から読む気になれないが、語源は読む気になる。
語源を読んでいくと、「この単語もそうなのか」と知っている単語が組織化されていく感覚があって楽しい。
たとえば、上記、advertの派生語には、お馴染みの英単語 advertise「広告する、宣伝する」がある。語根 vert から読み始めることで、advertise は「~に人々の注意を向けさせる」という語源的な解説に納得感がある。
そして無関係だと思っていた anniversary(記念日)も語根はvert(回る)。(年に一度回ってくる)という意味的なつながりがある。
このようにしてバラバラに覚えていた英単語がつながっていく感覚。これが語源学習の魅力だ。
例文が多くて学習効果がある
本書には多くの例文が掲載されている。
語根vert(回る)に接頭辞 con(共に)がついたconvert(一緒に回る)から、「変換する、改宗させる、変形させる」。
語源のラテン語の解説の下に、例文がある。
My wife converted twenty thousand yens into euro.
妻は2万円をユーロに両替した。
例文があるとその英単語がよりリアルに感じられる。
語源の解説だけだと、知的好奇心は満たされるものの今一つ学習効果が不安なので、例文をたくさん付けたのは正解だった。
本書は数ある語源教材の中でも、語源の解説が詳しく、例文も多い。
語源が好きな人にとっては大満足の一冊になるはず。おすすめ。