たった80単語!読むだけで「英語脳」になる本

たった「80単語」!読むだけで「英語脳」になる本

著者:船津 洋
出版:三笠書房
発行日:2010/4/20

take , have , of , about といったごく基本的な英単語について「単語の持つイメージ=ネイティブの語感」を説明している。

見開き2ページで語感イメージを解説し、次に見開き2ページで20フレーズをリストアップしている。(単語によっては1ページ10フレーズ)

書籍の大きさが「文庫サイズ」いうこともあり、また軽いタッチの文体もあって、初級者でも取り組みやすい。

基本単語のイメージを知る

たとえば、takeの場合、「ぐいとつかむ」というイメージがあるという。

このイメージがわかっていれば、「買う」「連れて行く」「(時間が)かかる」など多義的な take の使用も理解しやすい。

それぞれの意味を丸暗記するよりも、語感イメージをつかんでおけば応用が利く。

解説のあとで「英語脳になるフレーズ20」が続く。

その英単語が使われているフレーズがズラッと並ぶ。様々な意味を持つ多義語であることが示されている。

英単語のイメージを応用すれば、それぞれのフレーズの意味をつかみやすいことがわかる。

直感的でシンプルな解説が真骨頂

以前レビューした「話せる英単語ネットワーク」は、本書とまったく同じコンセプトの教材。

「英単語ネットワーク」の方は、単語の本質的な意味(コア)を数ページにわたって詳細に説明していた。いかにも学者が執筆したような隙のない解説に特徴がある。

本書「80単語」の方は、語感イメージを一言で済ませていて、getなら「ガッツリとらえる」、haveなら「すでに持っている」など、直感的に解説している。

では、「どちらの教材が英単語の本質を上手く解説しているのか?」と疑問に思う人がいるかも知れない。しかし、それは愚問であると言わせていただきたい。

というのも、そもそも英単語の完全なる真実というものはないので、英単語をどのように感覚的に把握するかという曖昧な話なのだ。

どんな解説を読んでも、「まあ、その単語のイメージって、そんな感じだよね」といった感想にしかならない。

どちらの教材を読んでも「なるほど」と納得するはずだから、後は好みの問題になる。マニア好みの細かい解説は「英単語ネットワーク」の方で、直感的な解説が好みなら本書「80単語」を選ぶことになる。

ちなみに、どちらの教材にも音声素材がある。「英単語ネットワーク」には音声CDが付いているし、本書はネットで音声ファイルをダウンロードできる。標準スピード・倍速スピードの2パターンが用意されている。

多義語のイメージがつかめずに苦労している方は、どちらかを読んでみてはいかがだろうか。特に、英単語と日本語を1対1で対応させている学習者は、その悪い癖を直すことにつながる。

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