DUO 3.0
著者:鈴木 陽一 |
560の例文に重要単語1572と熟語997を詰め込んだ教材。
暗記効率を高めるために、それぞれの例文には単語・熟語の重複がない。
560の英文を学習するだけで、大学入試で必要とされる標準的な語彙力がつく。
かつてないレベルの英語教材ベストセラー
2000年の発行当初から現在に至るまで、DUO3.0は「もっとも有名な英語教材」として売れ続けている。
ここまで売れている理由は、かつての「ターゲット」シリーズのように受験生の定番となったのに加えて、TOEICの受験者にとっても定番教材となっているのが大きい。
重要なことは、本書で語彙力をつけた人たちは、実力向上を強く実感していること。たしかに基本語彙を押さえると、英文を読むのが急に楽に感じるものである。
学習者の評判が良いからこそ、DUO3.0は不動の地位を築くことになった。
見出し語を詳しく解説
例文で英単語を学ぶ教材はいくらでもありそうだが、本書の特徴の1つとして、見出し語の解説がある。
よくある教材だと、見出し語の解説は和訳を載せただけのケースが多い。
DUO3.0は、「辞書不要」を売りにするほど語義の解説を手厚くしている。

それぞれの見出し語には、注意点や類義語がしっかり解説されている。
たとえば、had better do…の場合、「…した方がいい」と対訳的に書いているわけではない。
類義語(should do…/ought to do…)に加えて、下の注意点が書かれている。
(相手に対して使う場合、押しつけがましいニュアンスになることもあるので、立場的に自分より上の人やプライドの高そうな人には使わない方がいい。軽い気持ちの提案なら、Why don’t you do…?, Maybe you should do…などがいい)
このように各語彙の解説がしっかり書かれているため、単語教材なのに学習していて単調さがない。
そして、読んでいるうちに語彙を覚えられる効果もある。
このあたりがDUO3.0の評価が高い理由だろうか。
単に、英単語と和訳が載っているだけで、「さあ、覚えてください」というような教材だったら、とてもベストセラーにはならなかったはずだ。
例文を暗記するほど料理する
DUO3.0をどのように学習したらいいだろうか。
本書が推奨している学習法がある。
- 560本の見出し英文を、それぞれの単語・熟語の意味を理解しながら和訳する。
- 基礎用CDを利用して、「日本語←→英語」の変換が自然にできるようになるまでリスニングを続ける。
- 日本語での意味をイメージしながら英文の音読を繰り返す。
要するに、読んで、聴いて、発声する。
徹底的に例文を料理することで、英単語・熟語を自然と覚えられる。余裕のある人は、英訳(和文からの英作文)も加えてみたい。
たった560の例文を暗記するほど学習することになる。これは限られた分量の英文を徹底的に学ぶという精読学習ともいえる。(精読学習の重要性については、英語力が飛躍するレッスンも参照してほしい)
例文で英単語を覚えることの賛否
例文(フレーズ)で英単語を覚える手法には、賛否がある。
例文ではなく、英文を読んだ方が、深い文脈があるから語彙が身に付くという意見もある。
DUO3.0は似たような例文ごとにグループ分けする(文章につながりを感じさせる)といった工夫があるものの、効率を追求したいかにも受験的な編集になっている。
このあたりは好き好きなので、自分がやりたい学習をするのが一番だ。
さすがに、DUO3.0の見出し語がほとんどわからない人は、もっと文脈を重視した学習がいい。
しかし、5割~7割程度を知っている人が、残りのボキャブラリーを身に付けるために学習するなら、短期間での実力向上を実感できるはずだ。
DUO3.0 シリーズ
上記のDUO3.0にはいくつかシリーズがある。まずは当ページでご紹介したDUO3.0を買ってみて、気に入ったら下記のシリーズも考慮したい。
復習用CD。見出し英文だけを60分で読み上げる。1時間で一気にDUO3.0を復習するための教材で、DUO3.0とセットで買う人が多い。
基礎用CD。スロースピードとナチュラルスピードでの吹込み。和訳や見出し語も吹き込まれている。DUO3.0のレベルに自信がない人はこちら。
DUO3.0の重要項目を560枚のカードにしてある。シャッフルして使ったり、工夫次第で様々な使い道が可能。DUO3.0ファンなら買ってもいい。