即戦力がつくビジネス英会話

NHK発のハイレベル・ビジネス英語教材

本書は、2004年のNHKラジオ「ビジネス英会話」のテキストを基にした教材。 ビジネス英会話といえば杉田氏が思い浮かぶが、04年は日向氏が講座を担当した。

想定されているリスナーのレベルは杉田氏と同じ。NHKラジオ英語講座の最高レベルで、中上級の学習者に向けた内容となる。

ビジネス英会話の教材として、類書の「場面別 会社で使う英会話」を以前レビューした。採用しているビジネスシーンは重なっているものの、別次元の教材というほどレベルが異なる。「場面別」は中学レベル、本書は高校レベル以上となる。

質量ともに大満足

内容は、会議、交渉、プレゼンなど52のビジネスシーンを学ぶ。ダイアログ(会話)と重要フレーズを学んだ後で、「穴埋め英作文」と「穴埋めディクテーション」を行う。

本書の特徴は、なんといっても品質が高くて、量が豊富なこと。ダイアログもリアルな内容だが、英語力をつけるようなヒントに満ちている。

たとえば、「支払いの段取りを説明する」の項目では、ダイアログの次にキーフレーズを学ぶのだが、実によく練られている。

「大枠を説明する」「時間的要素を説明する」「各段階で何が行われているかを説明する」などの表現を学ぶのだが、それだけではない。「段取りを語る上で不可欠な名詞」のコロケーションも学ぶようになっている。

単に「段取りを説明するダイアログを紹介します」ではなく、「実際に段取りを英語で説明できるようになりましょう」という内容。

量の面でも圧倒される。分厚い本の中に小さいフォントでぎっしりと内容がつまっている。

1レッスンに、ダイアログ、フレーズ、英作文、ディクテーションがすべてつまっていて、それが52もある。NHKラジオ講座の「まとめ」だから出来る芸当で、普通だったらこれほどのコンテンツを1冊で提供する気になれないだろう。

ということで、本書は、質と量において完全に満足できる内容。ハイレベル教材と承知して買うなら、失敗したと思う人は滅多にいないはずだ。

杉田氏の講座と比較して、本書の強みは・・・

本書は「ビジネス英会話」のまとめ教材なので、杉田氏の講座と比べてみたい。

まず、杉田氏の講座は「やさビジ」から20年続いている点に注意が必要だ。典型的なビジネスシーンを取り上げていたらすぐにネタ切れになってしまう。

そこで、杉田氏の講座は、ほぼ連続ドラマ化している。より自由奔放なビジネスディスカッションになっていて、それが人気の秘密だし、何年聞いても飽きない理由だ。

その点、日向氏の講座は単発だったので、もっとも典型的なビジネスシーンが採用されている。「出退勤時のあいさつ」「アポイント」「クレーム処理」「依頼と指示」・・・などなど。

つまり、率直にいうと、より効率的にビジネスシーンを学ぶなら、本書の方がおすすめかも知れない。

「即戦力がつく」という本書のタイトルも、杉田氏の講座を意識したうえで、強みを表現したのだろう。

本書を学んでから、杉田氏の講座を試してみてもいいだろう。杉田氏の講座もまとめ教材が出ていて、NHKのビジネス英語のページで紹介している。

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