公式 TOEIC Listening & Reading 問題集3 著者:Educational Testing Service 出版:国際ビジネスコミュニケーション協会 発行日:2017/12/8 |
TOEIC運営元による公式問題集。
特徴は以下。
- 実際のTOEICと同じプロセスで制作
- サンプル問題とテスト2回分の問題(200問×2回=400問)
- TOEIC公式スピーカーによるリスニングセクションの音声
- 詳しい解説
音声CDが付属しているが、それとは別に音声ダウンロードサービスも行っている。専用サイトにアクセスすることでPCやスマホに音声をダウンロード可能。
英語の質については太鼓判
TOEICを運営しているのは日本の財団法人「国際ビジネスコミュニケーション協会」だが、問題を作っているのは米国の非営利団体。
TOEIC L&Rは、米国の非営利民間財団であるETS(Educational Testing Service)によって制作されている。
そのETSだが、試験サービスの分野では世界最大の組織。
米国の大学センター試験にあたるSAT(全米大学入学共通試験)、その他にもGRE(大学院入学共通試験)、Praxis test(米国教師採用試験)、そしてTOEFLを作っているのもETSである。
その組織がTOEICの問題を作っているわけだから、TOEICの「英語の質」「問題の質」は、英語テストの中で最高水準といっていい。
率直にいって、日本の大学入試の英語試験よりも質が良い。
この公式問題集も本試験と同じプロセスで作られたので、ETSで開発されている。
模擬試験で終わらせたらもったいない。本書をそのまま普段の英語学習に使いたいくらいだ。
TOEIC公式問題集の難易度
公式問題集は、TOEIC本試験と同じ組織が同じプロセスで作っている。
そのため難易度は本試験とまったく同じだ。
となると、TOEIC本試験の難易度はどうだろうか。
TOEIC L&R に出てくる英文のレベルは、大雑把に言えば以下のイメージがある。
- Listening:日本の中学英語レベルの英文
- Reading:日本の高校英語レベルの英文
いわゆる標準的な日常英語レベルだと考えられる。
TOEICの受験経験がある方は、どのような印象をもっているだろうか?
受験経験がない方は、TOEIC公式サイトの「テストの形式と構成」ページにはサンプル問題があるので、そこで難易度を確認していただきたい。
サンプル問題で全体像がすぐにわかる
公式問題集には、試験2回分の問題が収録されている。200問が2回分で合計400問。
それとは別に、サンプル問題が収録されていて、すべての出題形式を一通り経験できるようになっている。
上記画像はリスニングセクションPart4だが、日本語で問題形式が解説されている。
全パートの出題内容を例題付きで解説している。
はじめてTOEICを受ける人でも、TOEICの全体像がすぐに理解できるので、非常に親切な編集となっている。
問題と解説が別冊になっていて使いやすい
公式問題集の長所として、特筆すべきことがある。問題と解説が別冊になっているのだった。
上記は、「解答・解説」の別冊である。切り離して使うことができる。
これがどれほど重要かについては、ちょっと想像するとわかるはずだ。
200問×2回分=400問というボリュームである。すべての問題に解答と解説が付いている。つまり、大盤で分厚い教材となっている。
本来ならどうしても使い勝手が悪くなるところだが、解答と解説が切り離せるので、勉強していて使い勝手がいい。
優れた編集:解答・解説ページに問題が掲載されている
公式問題集にはもう1つ、素晴らしいところがある。
別冊の「解答・解説」には、問題文がすべて掲載されている。
上記は、リスニングセクションの解答・解説ページ。
単に解答と解説が書かれているだけではなく、問題文とその和訳も合わせて掲載されている。
もし解答と解説だけなら、問題ページと解説ページを行ったり来たりしなくてはならない。
ページ数をケチることなく、問題を2回載せているので、ユーザーの立場にたった編集になっている。こういう親切な教材は意外に少ない。
音声部分のスクリプトと和訳もある
上の画像をみればわかるように、リスニングセクションの音声部分が書き起こされていて、和訳も掲載されている。
力試しの模擬試験として使うだけではなく、普通のリスニング学習素材として使えることになる。
音読学習とかシャドーイング学習をしてもいいくらいだ。
リーディングセクションもすべて和訳がある
リーディングセクションの解答も、びっくりするほど丁寧に作り込まれている。
上記はリーディングセクションではお馴染みの切り抜いたような英文。Webサイトだったり、メールだったり、雑誌記事だったり。
見開きで対応する和訳がある。わからない部分の英語をすぐに調べることができる。
ということで、TOEICの公式問題集は、親切な編集がされた優れた英語教材となっている。
TOEIC公式問題集の使い方
良質な英文、使い勝手のいい編集。英語全文が書き起こされていて、和訳もある。解説もわかりやすい。
ということで、模擬試験として使うだけではなく、英語素材として使うことをお勧めしたい。
TOEIC対策というと「攻略法」を探す人がいるが、それほど特殊な試験ではない。「攻略法」なんてまったく必要ない。
ごく普通に英語力が上がれば、そのままTOEICのスコアにも反映される。
TOEIC公式問題集なら、TOEICと同じレベルの英語に触れることになる。ごく普通に公式問題集を英語素材として学習していれば、自然にスコアが上がることだろう。