40代からの「英語」の学び方 10代、20代より速く身につくコツ 著者:『THE21』編集部 |
ビジネス誌『THE21』の特集を書籍化。
40代ビジネスパーソンに向けた英語学習のアドバイス。
著名人・一般人の体験談が大量に収められている。
貴重な「個人的アドバイス」を収集
「THE21」はPHP研究所が発行する月刊誌。
ビジネスパーソンに向けて、ビジネス・スキルや仕事術を解説している。
創刊30年以上の歴史がある。
本書「40代からの「英語」の学び方」は、「THE21」の人気特集を新書化したもの。
内容は、「英語のプロ」と呼ばれる人々によるアドバイス集となっている。
40代からでも英語が伸びる体験談、英語学習のコツなど。
40代で英語を学んでいる人にとっては、勇気づけられる内容。
年齢を問わないアドバイスも多いので、ビジネスパーソンすべてにお勧めしたい。
ワンポイントで役立つアドバイス
本書には、数多くのアドバイスが掲載されている。
以下の内容が印象に残った。
知らない単語は画像検索してイメージで覚える
これは絶対にお勧め。新しい英単語を覚えるときは、Google画像検索で必ずイメージを確認しよう。
名詞を覚えるときはもちろんだが、動詞や形容詞でも試しに画像検索すると記憶に残りやすいかも知れない。
読んだ英文に関する自由エッセイを書く
インプットだけでなく、アウトプットすることで記憶に残る。
英文を読んだら、その内容について(適当に)エッセイを書いてみよう。
そのプロセスで、読んだ英文を想起することになり、格段の学習効果がある。
勉強の予定は今日と明日だけ
学習スケジュールは細かく立てすぎない。
多忙なビジネスパーソンは次々に予定が入るから、細かい勉強計画を立ててもすぐに狂ってしまう。
ざっくりとした長期プランだけたてて、学習スケジュールは今日と明日だけでいいという。
藤巻健史氏の英語学習アドバイス
本書は大量の「英語のプロ」が登場し、上記のような値千金のアドバイスが掲載されている。
その中で、「伝説のトレーダー」藤巻健史氏のアドバイスが面白かったので紹介したい。
英語が下手でも通用する理由
外資系投資銀行でその名を轟かせた藤巻氏は、さぞかし英語が堪能だと思われている。
実は英語が下手で、「フジマキ・イングリッシュ」を理解できる人は少数だったという。
しかし、モルガン銀行のスタッフは、必死で藤巻氏の英語を聞き取ろうとした。
なぜか。彼らにとってメリットがあったからだ。
藤巻氏は日本市場に精通していたので、スタッフたちは藤巻氏の市場分析を聞きたがったのだった。
相手にメリットがあれば、英語が下手でも必死になって聞き取ってくれる。
英語を学ぶビジネスパーソンにとって、これは発想の転換になるはず。
最初に英語が通じる経験をする
英語の自信をつけるには、どうすればいいだろうか。
「通じる経験」が大事だという。
めちゃくちゃな文法や発音でもいいから、道具として英語を使ってみる。
なんとか会話が成立すれば、「自分の英語でも通じる」という経験ができる。
この経験をしてから英語の勉強をした方がいいという。
通じた経験を抜きにして勉強をはじめてしまうと、英語の「正しさ」ばかりが気になってしまう。
これは大事なポイントだと思う。
英語が上達することで自信がつくのではない。そんなことを目指したら、正しい英語を何十年も追い求めることになってしまう。
今持っている英語力でとにかく「通じる経験」をしよう。海外旅行でもいいし、オンライン英会話でもいい。勉強はその後だ。
いずれ円は暴落する。英語ができれば儲かる
藤巻氏によれば、日本人は円高だから英語を勉強する気になれないという。
しかし、今後、1ドル1000円になったらどうだろうか。
年収5万ドルは、年収5千万円を意味するようになる。
当然、英語を習得して、海外に出て働いた方が圧倒的に儲かる。そうなれば、日本人は英語学習に真剣に取り組むはずだ。
藤巻氏は、今後1ドル1000円になっても不思議はないという。
この予測が当たるか曲がるかは別として、「その国の英語力」と「その国の通貨価値」に関係はありそうだ。
目を通せばモチベーションが上がる
上記で紹介した藤巻氏のアドバイスは、本書の中のたった10ページ。
本書には数多くの人が登場し、興味深いアドバイスをしてくれる。
アドバイスをする人によって内容は様々なので、自分にとって有用なものを取捨選択しよう。
いずれにしても、これだけ多くの人が英語について語っている本書は貴重だ。
勉強の前に軽く目を通すだけでモチベーションがあがる。