英語多読ガイド

多読のトレーニング概要

多読とは、読んで字のごとく「多く」の英文を「読む」トレーニングのことをいう。

１ページ読むのに何度も辞書を引くような多読では、つまらなくなって続かない。たくさんの英文を読む以上、英語レベルは自分の実力よりやさしいものを選ぶことになる。

内容把握を中心に読み進めるので、興味のある英文を選ぶこと。

英語の多読は学習効果が高いため、2000年以降に急速に普及している。

多くの英文に触れることで、英語の語順や構文に慣れることになり、ストレスなく英語が読めるようになる。
うろ覚えだった語彙が多くの英文に触れるうちに確実な語彙となる。（数秒考えてはじめて意味が思い出せるような語彙は、事実上身に付いていない語彙である。多読などのトレーニングで確実な語彙になる。）
内容把握を中心に読み進めるので、語彙がイメージ化され日本語を介することなく英語を理解できるようになる。
自分の興味を通じて英文に触れることにより、勉強の感覚を持たずに英語に触れることができる。

「めざせ１００万語」のＳＳＳ英語学習法研究会では、ネイティブの児童向けに書かれた簡単な英文（Graded Readers）の多読学習を提唱している。ポイントは以下の３つ。

楽しむことを最重視して、簡単な英文を継続して読み進め１００万語に達することを目標とする。

一つのテーマを絞って英文を読み進める。たとえば、野球が好きな人はメジャリーグ関連の記事や書籍、というように一つのテーマの英文を多読する。

同じテーマの英文は使われる語彙や表現が重なるので、読むたびに実力向上が実感しやすい。また、テーマを絞ることにより、英文から得られる内容面の知識が深まるので、興味を持続できる。

自分にとってやさしい英文を大量に読むことが大切。

難しい英語を読んで、わかったつもりになっても意味がない。自分の実力を超えた英文を選ばないように注意する。

少ない量の英文を徹底的に学習する方が効果的なケースがある。

英語の基本構造を理解できていないような初級段階では、精読系の学習を考慮したい。

読んで終わりにするだけでなく、ノートテーキングを考慮したい。

語彙のためのノートでもいいが、内容に特化したノートが特におすすめ。

多読学習にアウトプットの要素を取り込もう。英語でノートテーキングすることによって、語彙力、作文力が格段に向上する。いわゆる英作文よりはるかに取り組みやすい。

たくさんの英語音声を聞く「多聴」は、多読とセットで話題に出る。

多聴の効果は賛否両論あるが、理解できる英語であれば効果があるとされる。

簡単なレベルの英語音声をたくさん聞くことによって、多読とほとんど同じメリットがリスニングでも得られる。多読と同じ素材を使えば効果的。

ただし、「読む」学習が比較的能動的なのとは異なり、「聴く」学習は聞き流してしまえるため受動的になりやすい。学習のプロセスを厳しく検証する必要がある。

注）多読はもちろん、どの英文素材でも学習できます。自分の興味とレベルに合ったものを選びましょう。

多読の提唱者である酒井氏の著作。わからない単語をどんどん飛ばすＳＳＳ方式を提唱して、多読のブームを作った一冊。多読学習を軸にして多様な話題を取り上げている。

多聴多読マガジン
隔月刊で発行される学習誌。ネイティブ児童向けのGraded Readersを毎号複数掲載する。音声CDがついているのがポイントで、多読だけでなくリスニング学習もできる。

Graded Readers
ネイティブ児童用の洋書。英文で使われている語彙に制限があるため、多読に適した素材として注目を浴びている。このページではレベル別にお薦め書籍を紹介している。

Short Stories（NHK エンジョイ・シンプル・イングリッシュ）
NHKラジオ英語をまとめた書籍。簡単な英語ストーリーを18編収録。多読多聴の素材に使える。

当サイトの海外サイトカテゴリでは、以下のようなサイトを紹介している。ネットの多読に適した英文はネットに無数にある。

テーマ（カテゴリ）がたくさん用意されていて、興味のあるテーマの英文を選べる。

英単語をタップすれば和訳が表示され、その単語をブックマークできる。それ以外にもリーディングに役立つ機能が多数ある。