関係詞の底力―英語を使いこなすためのマストアイテム 著者:佐藤 ヒロシ 出版:プレイス 発行日:2011/08 |
文法項目の中の「関係詞」に絞って、あらゆるパターンを網羅的に解説している。
関係詞のあらゆる構文、あらゆる論点を説明しているので、文法を苦手とする人には細かすぎる。文法学習を一通り終えた人のブラッシュアップに使いたい。
パターンを網羅して母語の干渉をみつける
特定テーマの文法解説本を読んでみると、盲点に気づくことができる。
たとえば、日本語だと「~という」という表現が頻出する。「~という傾向」「~という経験」「~という習慣」など。結果として、同格のthatが使えない名詞にまで乱発してしまうことがある。
「海外で暮らしたという体験」
× :the experience that he has lived abroad
○ :the experience of living abroad
上記は、母語の干渉によるミスの典型といえる。
本書の中では、「使えるケースと使えないケース」「省略できるケースとできないケース」「混同しやすいケース」など、ミスが起こりやすい部分について細かく解説している。知識の穴となっている部分を見つけやすい。
英語に自信を持つ契機
ところで、関係詞というのは、英語らしい文章の出発点といえる。
関係詞を使わない文章は、SVOを繋げていく「ぶつ切り」の文章なので、子供っぽい英語となる。もちろん、意思疎通を図るための最初の段階としてはそれでいい。
しかし、できるだけ早く関係詞を使った英語を発信できるようにしたい。関係詞をアウトプットで使えるようになったときに、自分が英語を話せることを自覚するケースがある。英語に自信を持つポイントとして、関係詞は注目に値するのではないか。
ちなみに、使いこなすことが目的なら、本書ではなくパターンプラクティス系の書籍の方が適している。本書はその段階をクリアーした後で目を通そう。