ビジネス英語の敬語 微妙なニュアンスを英語で伝える 状況に応じたレベル別丁寧表現(CDつき) 著者:浅見ベートーベン 出版:クロスメディア・ランゲージ(インプレス) 発行日:2016/10/24 |
ビジネスシーン別に英語の敬語表現を紹介する。
それぞれのシーンでは、「カジュアル」「ふつう」「フォーマル」など丁寧さの段階別に表現を比較。
音声CD付きで、ダウンロードも可能。
ビジネスシーンを細かく分類
本書の特徴は、ビジネスシーンを細かく分類していること。
以下のビジネスシーンでの敬語表現を学ぶ。
- 電話
- ミーティング
- 雑談(スモールトーク)
- 報告・連絡・相談
- オフィス機器のトラブル
- アポイントメント
- 訪問
- 会社説明
- 交渉
- 注文
- クレーム・謝罪
- レストランでの接待と接客
- 出迎え・ホテル宿泊
- 工場見学
- プレゼンテーション
- 社内でのスピーチ
それぞれのビジネスシーンはさらに状況を細かく分類している。
たとえば、2章の「ミーティング」を例にすると、
- 会議を始める
- 初めての参加者を紹介する
- 欠席者の名前を挙げる
- 会議の目的を述べる
- 前回の議事録を読む
- 最新状況を説明する
- 議事項目を確認する
- 他の議題がないことを確認する
- 役割を説明する
- 項目ごとにかける時間を決める
- 最初の項目を取り上げる
- 次の項目に移る
などなど。上記は一部で、さらに多くのミーティング状況が収録されている。
英語の敬語表現を紹介する教材はたくさんあるが、ここまで細かくビジネスシーンを分類した教材は珍しい。
本書に目を通せば、あらゆるビジネスシーンの敬語表現がわかる。普通のビジネス英語表現集としても有用だ。
敬語表現を丁寧さの段階で比較
本書のもう一つの特徴は、丁寧さの度合いによって、4段階にレベル分けして英語表現を紹介していること。
- カジュアル
- ふつう
- わりとフォーマル
- かなりフォーマル
このレベル分けによって英語表現を比較している。
すべてのビジネスシーンで4段階とは限らず、2段階だったり3段階の項目もある。
上記画像は、10章「注文」の中の「キャンセルする」項目。
丁寧さの違う表現を比較するのは、極めて重要だ。
というのも、一番丁寧な「かなりフォーマル」表現を知っていれば、それで済むわけではない。丁寧過ぎる表現は、状況によっては不自然になる。
丁寧さの度合いが落ちる「わりとフォーマル」だったり、「ふつう」「カジュアル」の表現も知っておきたい。
英語表現を1つだけ学ぶよりも、比較しながら複数の表現を学んだ方が印象に残る。
類書「敬語の英語 実践編」との比較
丁寧さの度合いの異なる英語表現を比較する教材として、「敬語の英語 実践編」が思い浮かぶ。
「敬語の英語 実践編」のメリット
「敬語の英語 実践編」は、「とても丁寧に」「常識的に丁寧」「ずばり、言いたいこと」の3段階で比較していた。
1つ1つの表現に解説がついていて、段階の違う表現の理解が深まるようになっている。通読することで、敬語の感覚が身に付く。
ただし、プライベートとビジネスの両方の表現を載せているので、収録されているビジネスシーンは限られている。
本書「ビジネス英語の敬語」のメリット
それにたいして、本書「ビジネス英語の敬語」は、表現についての解説がほとんどないので、それぞれの表現について理解を深めるのには向いていない。
ただし、圧倒的に多くのビジネスシーンを取り上げているメリットが大きい。しっかりビジネス英語を勉強したい人におすすめしたい。
本書には音声(CD+ダウンロード)も付いているので、耳からも敬語の英語表現に慣れることもできる。