改訂新版 会社の数字 英語表現完全マスター 著者:小林 薫 , 伊藤達夫 , 山本貴啓 出版: アスク 発行日:2011/3/24 |
ビジネス英語の重要表現には数字が入る
「3倍増」「2年連続で」・・・。こういった表現はビジネスシーンで当たり前のように使われる。それを英語で使えるかとなると、心もとない学習者は多いはず。”threefold increase” “two consecutive years” …
本書は、そのような数字の英語表現をマスターするための教材。数字のテーマは多岐にわたる。が、多くのページを占めるのは「会社の業績・財務を語る数字」。
注意事項として、この教材は「数字英語を基礎から学ぶ教材ではない」ということ。基数、序数、少数、長さと距離、面積、増減、比較、割合、時間といった基本表現は、最初に軽く確認するだけにとどまる。
本書でマスターするのは、以下のような「数字とともに使われる英語表現」である。
- 耐用年数Y年のXをZドルで購入する。
- ~の売却益を計上する。
- 時価で評価される。
- 原価XのものをYで売る。
- 一般管理費をX%削減する。
- 持ち株比率がX%に増加する。
ビジネス英語の基本ともいえる表現ばかりではないだろうか。
また、例文についている一言解説がよい。
「数字が文頭にあるときは数字で書かずに spell out する」
といった文章作法ポイントとか、
「不良債権は bad debts 以外に doubtful accounts, non-performing debts を使う」
といった言い換え表現など。こういったアドバイスが全例文についていることで、学習者の意欲が引き出される。
いつかは学ぶだろうが、早めに抑えておきたい内容
「会社の数字」という本書のタイトルから、「数字」という個別テーマの教材だと思われるかも知れないが、上記で説明したように「ビジネスの重要表現そのもの」を学ぶ教材といえる。
たしかに、本書に掲載されている表現は、NHKビジネス英会話を長期にわたって視聴すれば、いつかは必ず学習することになるだろう。(それだけ重要表現ばかりということだが)
しかし、「いつかは学習する」と後回しにできないほど重要な表現ばかりともいえるので、ビジネス英語を学ぶ人は本書で一通り済ませておいてもいい。
本書は単に例文を羅列しているだけではなく、エクササイズもついている。副教材としてではなく、主教材としてもお勧めできる。
学習者のレベルによっては、序数、少数といった基礎が苦手かも知れない。たとえば、「53番目」といった序数がすぐに英語で出てこない、など。そういう方は、本書とは別に「数字・数量・単位 英語表現ハンドブック」のような基礎教材を組み合わせたい。