英単語ピーナツほどおいしいものはない 銀メダルコース
著者:清水かつぞー |
隠れた名著として知られるボキャブラリー教材。初版から四半世紀が経過しても売れ続けている。
英単語を2語以上で覚えるのが本書のメソッド。
根強い人気のボキャブラリー教材
英単語の教材といえば、すぐに思いつくのは「DUO」「キクタン」「英単語ターゲット1900」など。本書「英単語ピーナツ」はそれほど知られている教材ではないが、熱烈な支持者の数では負けていない。
1990年初頭から20年以上にわたって改訂を繰り返してきた教材で、「隠れた名著」として知られる。
長期間にわたって根強い支持があるのは、学習効果を実感している人が多いことの証明でもある。
英単語は1語で覚えるべきではない
本書の特徴は、英単語を1語ではなく、2語以上の連語で覚えようというもの。
昔風の英単語帳では、英単語と和訳と1対1で対応させて並べたものが多かった。
(例:昔の英単語帳)「評決」 ”verdict”
しかし本書では、よく使われる言葉の固まり(チャンク)で覚える。
(例:英単語ピーナツ)「評決を下す」 ”render a verdict”
(注:旧版の画像です。最新の改訂版はカラーになっています)
「罪状」「評決」「有罪」などバラバラに単語を覚えるのではなく、
「罪状を認める」「評決を下す」「人を有罪とする」など、よく使われる表現で覚える。そうすると2語以上になる。
英単語はバラバラに覚えても使えない
コロケーション教材のページでも書いたように、英単語をバラバラで覚えていても意味はなく、同時に使われる言葉(語彙連結)を知っていてこそ使えるボキャブラリーになる。
(コロケーションについては、「100の超基本名詞で広がる英語コロケーション2500」もおすすめ)
「評決を下す」と言いたい時に、「評決はverdictで、動詞は「宣告する」のrenderを使うのかな・・・」なんて考えていたら話せるわけがない。
ほとんど無意識に「評決を下す=render a verdict」の固まりが出てくるから話せる。
日本語で読んだり話すときのことを考えてみれば、語彙は固まりで瞬時に出てくることを理解できるはずだ。
英単語ピーナツでは、「社会的な慣習」「共有の財産」「深い洞察」「イライラさせられる癖」「彼女の存在を意識する」など、固まりで覚えるべき表現を学ぶことになる。
学習効果を実感している人が多いのも当然といえるだろう。
スペルのヒントが秀逸
本書の学習法は「日本語 → 英語」の順で、日本語を見て、英単語を応える。
その際、英単語のスペルの一部がヒントとして表示される。
このヒントが英単語を思い出す糸口になる。これがあるだけで、ストレスを感じずにスピーディーに学習できるはず。
ボキャブラリー教材はどうしても学習が単調になるので、あえて難易度を下げるヒントをつけたのだろう。
ページをめくると英語が掲載されている。
1巡目はすぐにページをめくって英語を見てもいい。2巡目からスペルのヒントをみて英語を発声してみよう。
どんどん覚えられるはずだ。
英語のボキャブラリー不足を実感している人は、本書でまとめて語彙を覚えてみてはいかがだろうか。
空いた時間に副教材としてやってみるだけでも学習効果がある。
「英単語ピーナツ」シリーズ一覧
2011年に最新改訂版が発行された。難易度別に金・銀・銅のコースがある。
「英単語ピーナツ金メダル改訂新版」(Amazon.co.jp)
「英単語ピーナツ銀メダル改訂新版」(Amazon.co.jp)
「英単語ピーナツ銅メダル改訂新版」(Amazon.co.jp)
付属CDで発音の確認もできる。日本語部分の吹き込みはなく、英語の吹き込みのみ。
ベーシックコースが違う著者から出ている。
「英単語ピーナツBASIC1000」(Amazon.co.jp)