世界に通用するマナーを教えてさしあげます! 著者:村田順子, (監修)佐藤よし子 |
テーブルマナーを漫画で解説した本。
(※注 :本書は英語教材ではありませんが、英語圏で必要となるマナーということで、レビューしています)
マナー本を漫画にしたのは正解
高級レストランのマナーを紹介する漫画。それなりのレストランに行く可能性があるなら、一読しておきたい内容。
洋式のテーブルマナーを紹介する本はいくらでもあるが、マナーに疎い人ほどマナー本を読むことがない。もっとも読むべき人にかぎって読まない、というジレンマがある。
(このレビューを書いている評者も人のことを言えないが・・・(^^;)
マナー本を漫画にしたことで、本来だったら読まなかった人でも目を通す可能性が増える。漫画形式にした意義は大きい。
漫画特有のユーモアもあるし、登場人物もチャーミングで共感できる。読み始めれば面白くて一気に読み通せる。
また、レストランへの入館から会計まで、一連の流れが漫画になっているので、イメージがつかみやすい。
とにかく知っておいた方がいい
本書を読んで、つくづく思ったことなのだが、マナーというのは「知っていること」が大切。
人によっては、マナーとは「優雅で上品な立ち振る舞い」のことだと思っているケースがある。そんなものは一朝一夕には身に付かないし・・・と諦めてしまっている人もいることだろう。
しかし、マナーの多くはそういうことではなく、知っておきたいルールと礼儀なのだ。それこそ、日本家屋の畳に土足で入っていいのかどうか、葬式に赤いTシャツを着ていくのはOKかどうか。それらと同じレベル。
それなりのレストランに入るなら、絶対に知っておいた方がいいし、知らないことは怖ろしい。(「上品」「優雅」なんていう抽象的な話ではない)
そして、ここが重要なのだが、テーブルマナーは洋食と和食で異なる。たとえば、日本の食はお椀を「持つ文化」、欧米の食はお皿を「持たない文化」といった正反対の要素が多いため、幼い頃から身に付いたマナーのままで振舞うと失敗することが多くなる。
もちろん、高級な(洋風)レストランなんて絶対に行かないというなら、日本のマナーだけを抑えておけばいい。しかし、ここまで洋食が一般になった現在、やはり知っておいた方がいいように思われる。海外旅行先でも国内でも、私生活でもビジネスでも、そこそこのレストランに入る機会はありえるからだ。
もっといえば、高級ではない一般的なレストランに入るなら知っておきたい内容でもある。本書では超高級レストランが舞台になっているので参考になるのは一部になるが、基本マナーは並のレストランでも該当するからだ。