外国人が日本人によく聞く100の質問

外国人が日本人によく聞く100の質問

著者:秋山 宣夫/秋山 キャロル
出版:三修社
発行日:2009/6/30

日本について質問されがちな100テーマについて、3通りの質問パターンとその回答例を紹介している。

自分なりにアレンジを加えることで、発信型の英語学習となる。

回答したいのに英語が出てこない悔しさ

外国人と知り合って、日本について質問されたとする。相手は好奇心いっぱいの様子で回答を待っている。しかし、どう説明していいかわからずに浅い回答をして、話がまったく盛り上がらない・・・。

こういった悔しい経験はありがちなことである。しかし、「英語が上達すればいつかは話せるようになる」などと漠然と考えない方がいい。外国語(+即興)で話すのは簡単ではないのだ。

そこで、村上式シンプル英語勉強法でも推奨されていたことだが、「トークの準備」をお勧めしたい。日本について質問されたときのために回答を用意しておこう。

日本についての想定問答集

本書は、「日本では水を飲んでも大丈夫か」「人間国宝とは何か」といったことから、マイホームの値段、子供のしつけ、ペット、歌舞伎、健康保険など。「なぜ自殺が多いのか?」といったハードな内容まで網羅している。

回答は一言二言ではなく、5センテンスほどのしっかりとした回答例になっている。また、事典のような無味乾燥な文体ではなく、そのまま答えても自然な会話調なのがいい。

本書の回答は一例に過ぎないので、自分でアレンジすることになる。そのまま使えるような一般的(中立的)な回答例が多いのだが、あえて自分で考えることで学習効果が高まるはずだ。

質問されて意識が高まる

本書の初版は30年以上前の1979年。時代とともに改訂を繰り返して、最新版は2009年の全面改定(5訂版)となっている。このジャンルの隠れた名著といっていいだろう。

海外旅行・留学・ビジネスアテンドを前にして、本書に目を通した英語学習者は少なくないと思われる。「お国事情」というのは外国人と交わす定番の話題なので、準備は無駄にならなかったはずだ。

そして、本書にはもう一つの意義がある。日本についての質問に備えることで、「日本はどういう国か」について意識を高める機会になる。日本で暮らしていれば、日本社会のすべてが当たり前になっていく。その当たり前が崩されるのは、異文化から質問されたときなのだ。

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