英語で考える力をつけるトレーニングブック 著者:上田 秀樹 出版:ベレ出版 発行日:2003/3/1 |
日本語を介在させないで、英語で考える力をつけるために二つのトレーニングを行う。
一つはビジュアルを使った練習で、絵を見てそこに描かれている内容を英語で表現する。
もう一つは、英語のストーリーを読んで、その内容を英語で要約するトレーニングとなっている。
日本語を介在させなくても英語学習は可能
「絵を見て英語で考える練習」では、複数の人物が描かれている1枚の絵を見て、それぞれの人物を英語で表現する。
たとえば、飛行機の機内風景の絵では、寝ている人、話している人、本を読んでいる人などが描かれている。
それを「彼は~をしている」式に英語で表現する。
次の「英語のストーリーを読んで英語で考える練習」では、短い英文を読んで登場人物の行動を5つ程度の文に要約する。
「彼は~をした」式に時系列で並べるだけなので、要約といってもごく簡単なもの。
世界中で定番のトレーニング法のはずだが
上記二つの練習は、「イメージから英語へ」「英語から英語へ」という構造になっているため、母語の干渉から脱するための優れた学習法と考えられる。
英語の上級者でなくても、高校初級くらいの英語力があれば十分に可能だ。
このようなトレーニングは外国語の習得において世界中で用いられていると聞くが、不思議と日本の学校教育では普及していない。
独学でも工夫次第で可能
上記の練習は一人でも可能なので、ぜひやってみよう。絵や写真を自分で用意して英語で表現を考えてみよう。
正解などは無用。中級以上は英英辞書にあたってみてもよい。「これを英語でなんというのだろうか?」という能動的な学習をしていれば、その過程で格段に英語力がつくものである。
二つ目の要約トレーニングも独学で可能。洋書Graded Readersなどの簡単な英文を用意して、ページ毎に要約してみよう。「(誰)が(何)する」というように、人の行動を時系列に並べた簡単なものでOK。簡単なレベルからはじめるのがコツとなる。
初級程度の人が独学でやるには若干負担が大きいかも知れない。それらの人にとっては正解が用意されていた方がスムーズにいくことだろう。
本書を使ってもいいのだが、(理論?)解説に多くのページを割いてしまっているのと、どういうわけか発音についても大量のページを割いているため、肝心の練習問題が少ない。
WEBを通してこのタイプの練習を大量に提供するサービスがあるといいのだが。そのようなネットサービスまたはソフトウェア教材を発見したらぜひ当サイトでご紹介したい。