新・英語で日記を書いてみる―英語力が確実にUPする 著者:石原 真弓 出版:学研教育出版 発行日:2013/2/26 |
「英語で日記を書いてみる」は2001年に発行され、「日記+英語」というジャンルの代表的な教材となった。
本書は改訂新版で、「ブログ、SNS、スマホ」のような時流に合った項目が加筆されている。(2000年代初頭にはブログやSNSがなかったことを意味するので、この改定は感慨深い)
アウトプットはここから始まる
英語で日記をつける学習は、もっとも手軽なアウトプットなので、お勧めのトレーニング法。当サイトで何度も書いてきたが、自分で英語を考えるトレーニング(リハーサル)をしないと、いつまでたっても英語は話せるようにならない。
今まで英作文のようなアウトプット練習をしてこなかった人は、簡単な英語でさえ書けないかも知れない。徒然なるままに日記を書くなんていうのは、無理な話だ。
まずは、1日の行動を英語にすることから始めてみてはいかがだろうか。その際、本書のような教材を手元に用意すると役に立つ。
本書は、文法、構文、表現、日記文例、ワードリストがセットになっていて、あらゆる角度から日記学習をサポートする。
日記で書ける内容 = 英語で話せる内容
本書の中で特に役立ちそうなのは、表現の章。
「1日の行動を書くときの表現」「感想、気持ちを書くときの表現」の2つの章からなり、日記で書かれそうなあらゆるテーマで文例を挙げている
たとえば、「食べる・飲む」についての行動を書くページ。
「食べる・飲む」について日記に書きそうなあらゆる表現が書かれている。
簡単な表現なのに「あー、そうやって書くのか」という項目がけっこうあるはずだ。
「今日はあまり食欲がなかった」という表現はどうだろうか。
実によく使いそうな言葉だが、英語ですぐに出てくるだろうか?
I had a small appetite today.
「そう書けばいいのか!」という気づきがあるので学習効果が高い。
このような日常に密着した英語を書けるようになれば、同時に英会話もできるようになる。
逆に、この手の英作文ができないなら、自分から何も話せないので英会話のしようがない。英語で日記を書くのは、英会話の練習でもある。
表現のパターンプラクティス
上記は行動についての表現だが、今度は「感想、気持ちを書くときの表現」も紹介したい。
「食べ物について」という項目を見てみよう。
食べ物について、数多くの感情表現が羅列されている。
- 辛かった。
- 甘かった。
- 酸っぱかった。
- 甘酸っぱかった。
- 塩辛かった。
- 苦かった。
- 脂っこかった。
こういう日常に密着した表現がズラッと並んでいる。これらの表現が英語ですぐに出てくるだろうか?
単に日記を書くときの表現を探すだけでなく、ひと通りの英語表現を練習したくなってくる。本書は、日常表現のパターンプラクティスにもなりそうだ。
表現やワードリストの章には豊富な文例があるので、中級レベル以上の人でも手元に置いておきたい教材になっている。