ゼロからスタート英語で話すトレーニングBOOK

ゼロからスタート英語で話すトレーニングBOOK

著者:安河内哲也, デイビッド セイン
出版:Jリサーチ出版
発行日:2016/12/22

「ゼロからスタート」シリーズのスピーキング編。

ワンフレーズの会話から、スピーチへの橋渡しを行う。

自己紹介からショートスピーチまで90レッスンを収録。

レベルは中学英語。

スピーキング入門書の工夫

世の中に英会話教材は多いが、ほとんどワンフレーズ単位のやり取りとなる。

そのような会話教材ばかりやっていると、英語で話(スピーチ)ができない。

本書は「英語スピーキング入門書」なのだが、会話をスピーチにつなげる工夫がある。

たとえば、「読書」がテーマだとする。

「読書」をテーマにして、英語でスピーチをしてみよう。

本書は、まず、3つの質問を用意する。

「どんな時に読書するか」「どのくらいの時間読むか」「何を読むか」という質問。

それにたいして、自分で答えることで、英語スピーチができあがる。

回答例では「電車の中で読む」「1日にだいたい1時間」「新聞」と答える。

「ワンランクアップ回答例」として、この3つの回答例をつなげることで、3フレーズ程度の英語スピーチとなる。

本書はこんな問題をたくさん行う。

いざ、「読書について英語でスピーチしてください」と言われても戸惑うはずだ。

しかし、こうやって3つの質問をヒントにすれば、案外、英語でスピーチできることがわかる

スピーチ入門書として、なかなか良い工夫ではないだろうか?

写真や資料の章が秀逸

本書のレッスンには、上記のような身近なテーマだけではなく、「写真や資料を英語で表現してみよう!」の章がある。

写真について、英語でスピーチをしてみよう。

学習法は上記とまったく同じ。

3つの質問があり、それに答えることで3フレーズ程度のスピーチができる。

写真や資料について、英語で説明する練習になる。

英語に自信のある人は、質問を見ないで英語を考えてみてから、回答例と比べてみてもいい。

英語で何かを説明したくなってくる

本書を一通り読んで気づくのは、中学英語でも立派に「話」ができるということ。

ワンフレーズの英会話ならともかく、何かを説明する英語となれば、もっと高度なものだと思い込みがちだ。

しかし、ワンフレーズの英会話ができれば、そのままスピーチにつながることがわかる

本書で一通り学習してみれば、英語で話しをする自信が出てくるはずだ。

どんなテーマでも、どんな写真でも、なんとか英語で話せるような気がしてくる。

自分で英語を考えるリハーサルにつなげたい

本書の注意点としては、回答例を「正解」だと考えないこと。

間違いを怖れずに、自分なりの英語を考えてみることが肝心だ。

そのためには、文字通りゼロから英語を学ぶ人にはハードルが高い。中学英語もあやふやなレベルだと、回答例を正解だと思って練習する英語になってしまう。

むしろ、中学英語はなんとかこなせるレベルの人に向いている。

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