英語が話せる人はやっている 魔法のイングリッシュルーティン 著者:Miracle Vell Magic 出版:KADOKAWA 発行日:2021/7/16 |
アウトプットを増やすための「ひとりごと」英会話ガイド。
よく工夫されたトレーニング法をたくさん紹介している。
英会話のリハーサルとしてベストな学習法。絶対におすすめの1冊。
ひとりごとで英語を習得
著者の Vell さんは、Youtubeでも活躍している日本人アーティスト。チャンネル登録者は約20万人。

今では英語を駆使して仕事をしているが、最初から英語が話せたわけではない。どうやって英語を身に付けたか。本書ではその秘訣を紹介している。
文法のようなインプット学習よりも、ひとりごとを通したアウトプットを中心に学習したという。その結果、1年間でネイティブに通じる英語を身に付けた。
ひとりごと英会話の効果は間違いない
英語が話せない人は、アウトプットが足りてない。しかし、いきなり外国人と英会話するのはハードルが高い。そこで、「ひとりごと」で英語を話すことで、アウトプットの練習をする。
この「ひとりごと英会話」は、昔から知られている。
たとえば当サイトでレビューした「起きてから寝るまで英語表現シリーズ」では、「つぶやき練習法」と名付けた「ひとりごと」だし、「ペラペラになれる3分間英語勉強法」でも「ひとりごと」トレーニングに言及されている。
しかし、このような類書と違って、本書「魔法のイングリッシュルーティン」では、豊富なバリエーションの「ひとりごと」トレーニングが紹介されている。
著者は「ひとりごと」を中心に英語を身に付けただけあって、その工夫の数々には驚かされた。
よく工夫されたトレーニングの数々
具体的に、どんなトレーニングをするのだろうか。以下、ひとりごとトレーニングを一気にリストアップしてみたい。

- 目についたものを英語でどんどん口に出す
- 頭に浮かんだ英語フレーズをどんどん口に出す
- 今思っていることを口に出す
- スマホも英語設定に
- 妄想のネイティブ友達とひとりごとで会話する
- 動画(73 Questions)をマネする
- 海外ドラマからセリフを盗む
- Twitterからフレーズを盗む
- インスタからフレーズを盗む
- weblioを使って発音モノマネトレーニング
- 「実況ふう」のひとりごとで文法トレーニング
本書は、単にひとりごと英語フレーズが羅列された本ではなく、トレーニング法をガイドしている。
よく工夫されていて、効果的なものばかり。それでいて、勉強感がなくて、とにかく楽しそう。読んでいて、すぐにでもやってみたくなるはずだ。
ひとりごと英会話の秘訣がここに
本書では、「めちゃくちゃタイム」と「しっかりタイム」という言葉が使われている。
間違いを気にせず、めちゃくちゃな英語でもいいから、とにかく英語を口に出す時間。それが「めちゃくちゃタイム」。
その一方で、英語を口に出そうとしても、「英語でどう表現すればいいかわからない」「自分の英語が間違っている気がする」ことがたくさんあるはず。
その「ひっかかり」ができたら、スマホ・ネットで調べてみよう。それが「しっかりタイム」。
めちゃくちゃでもいいと割り切る時間と、ちょっと調べてみる時間を分けること。そして何より、めちゃくちゃタイムで「ひっかかり」を作ったあとで調べること。

言えなかった体験を通して調べるという流れの方が印象に残りやすいです。
魔法のイングリッシュルーティン p31
これこそ、ひとりごと英会話のコツなのだった。絶対に覚えておきたい核心部分だ。
オンライン英会話レベルに達していない人は今すぐ始めよう
現在、格安のオンライン英会話が普及して、重要なトレーニング手段になっている。
しかし実際には、英会話が成立するレベルに達していない学習者が多いはず。オンライン英会話が可能になるレベルに到達していない人はどうすればいいか。
そんな人には本書がある。ひとりで気軽にできる「ひとりごと」トレーニングは、オンライン英会話につながるリハーサルになる。
ひとりごとトレーニングは、中学高校の英語授業でも取り入れてほしい内容。(せめて本書の紹介をしてほしい)
本書のトレーニングは効果的なので、絶対の自信をもっておすすめしたい。