TWITTERで英語をつぶやいてみる 著者:石原真弓 出版:NHK出版 発行日:2010/5/7 |
英語でつぶやくTwitter活用法をガイド。
著者自身の経験をもとにして、Twitterで役立つ表現を紹介している。
※追記:TwitterはXに名前を変えたが、本書の内容は古くなっていない。
手軽なアウトプット、気楽なコミュニケーション
著者の石原真弓さんは、「直訳にこだわらずに英語を話してみませんか」など、アウトプット系教材で知られている。今まで日記・手帳に注目した英語教材をリリースしてきたが、今回はTwitterがテーマ。
ライティングの練習として、英語で日記を書いている人がいるかも知れない。ブログに書いているのを見かけることもある。
しかし、まとまった分量の英語を書くのが負担なので、中断してしまった人が多いようだ。その点、Twitterは140文字というより短い「つぶやき」なので負担が少ない。3行日記が辛い人は、1行日記のTwitterがもってこいだ。
また、読んでくれる人がいないと張り合いがなくて続かないが、Twitterならコミュニケーションが容易にとれる。
著者は、#twinglish というハッシュタグを提案していて、Twitterをはじめたばかりでフォロワーがいない人でも、#twinglishでつぶやくことにより英語仲間を見つけやすくなっている。
一気に読み通せる魅力
本書の内容は、「今日の予定」「今日の振り返り」「タイムラインを離れるときのあいさつ」といったTwitterで使いそうな表現から、「日本人にありがちな間違い」「省略表現と英語の顔文字」「提案」「感動の共有」などなど、まさにネットコミュニケーションの初歩を網羅している。
本書を読むと、なぜ著者が人気作家なのかよくわかる。「Twitterで英語学習」をテーマにした類書は多いが、無味乾燥に表現を並べた「つまらない本」が圧倒的に多い。その中で、著者の本は臨場感のある語り口調で書いてあり、生きたTIPがそこら中にあり、表現の一つ一つをばらばらに羅列せずに解説を交えた連続ものとして読める。
つまり、とりあえず最後まで一気読みできるだけの魅力が本書にはある。Twitter、facebookなど、ネットの流行が移るたびに関連書籍が出てくるが、最後まで読む気になる本は少ない。特に英語フレーズ系の教材は粗製乱造の極みだが、本書は数少ないお勧め教材である。
ところで、Twitterを使った英語学習については、多読のために使う方法もある。もともとTwitterはタイムラインを育てることが第一歩なので、自分でつぶやくより前に有益なツイートを大量にフォローしてはいかがだろうか。この点については改めて特設ページを作って解説したい。