CD付 究極の英語学習法 はじめてのK/Hシステム 著者:国井信一, 橋本敬子 |
同時通訳の訓練法を取り入れた英語学習法「K/Hシステム」の初中級バージョン。
TOEIC 450~650点レベルの学習者が対象。
構文分析にページ数を割いた、本格的な英語学習法ガイド。
KH入門との違い
KHシステムといえば、シャドーイングを日本に普及させた重要書籍。
本書は「はじめてのKHシステム」とあるだけに、初中級レベル向けに書かれていて、TOEIC450~650あたりを対象にしている。
KHシステムとの違いは、以下のようになる。
- 基本文法のエッセンスを解説
- 素材が簡単になっている
- 講師と生徒の会話風に解説している
KHシステムと同様にリテンションやシャドーイングの学習ガイドはあるが、文法を何より重視している。
構文分析の実況中継
本書を読んでまず印象的なのは、構文分析にページ数を割いていること。
英語を英語のまま理解するためには、構文を見抜く必要がある。そのため、1文1文の構文分析トレーニングは避けて通ることができない。
KHシステムがどこまでも本気の英語習得を目指していることがわかる。
また、単に構文を分析して終わりにするのではなく、その英語を自分のものとするために「構文チャレンジ」という学習法を提案している。
構文チャレンジは、英文を見ないで日本語と英語で再現する。KHシステムらしい負荷のかかる学習となる。
KHシステムといえば聴く講義
KHシステムの特徴は、CD音声を使って講義風の実況解説をすること。
本書もCD付きで、構文分析の実況中継から、リテンション、リズム練習、シャドーイングの学習ガイドを、すべて音声で解説している。
本を読むだけでは飲み込めないことも、音声で解説してもらえると、意外にすんなりわかる。
特に、構文分析を本で勉強するのは、モチベーションが続かない人が多いかも知れない。本書は音声の実況中継があるので、学習する気になるはずだ。
(本当は、動画で構文分析を学べるといいのだが)
あくまで学習ガイド
本書は文法のエッセンスを解説しているが、本書だけで文法を身に付けるのは無理がある。
また、構文分析についても、もっと大量にトレーニングしないと英語の構造をつかむことはできない。
本書はあくまで「英語をどのように身に付けていったらいいか」を体験するためのものだといえる。
本書を道しるべにしながら、他の教材を組み合わて長期戦で取り組みたい。