感動する英語!

名スピーチの言い換え

感動する英語!

チャップリン、クリントン、キング牧師など、9編の名スピーチを収録した教材。1ヶ月半ほど前に出版されたばかりだが、書店ではそこそこ売れているらしい。本書のポイントは、気持を込めて名スピーチを暗唱してみること、そして、そのスピーチを応用して作文してみることにある。

スピーチの状況解説に力が入っていて、歴史的な人物・事件の読み物としても楽しめる。各スピーチの意義を深く理解し、気持を込めて学習するための配慮なのだろう。

スピーチの応用例では、その表現や文章リズムを維持しつつ、今後ありそうな状況を想定して作文する。たとえば、キング牧師の演説文を就職活動向けに書き換えた応用例が載っている。

こういう露骨な模倣(しかも状況が陳腐化している)文章というのは少々寒い。しかし、名文を真似ることが名文を書くコツでもあるし、実際に人前でその原稿を演説するわけでもないので、恥ずかしがらずに大胆に書き換えてみよう。

名文かどうかは別にして、文章を書き換えるという行為は語学の基本である。しかし、書き換えをまったくやらない人も少なくないと聞く。たとえば、一つの単語を辞書で調べるにしても、辞書の例文を自分なりに作り替える学習者と、一切そのような創作をしない学習者がいるようだ。この点は英語力上達に差が生じるポイントではないだろうか。

ところで、本来だったら、人から「感動する英語」として提示されたものではなく、たくさんの素材の中から自分が本当に感動したものを学習素材とすべきなのだろう。英語力が上達するにしたがって、書籍や映画の英語に多く接するようになるので、「感動する英語」を自ら発見する機会は広がっていく。本書のレベルはTOEIC600・英検2級程度だと思われるが、逆に言うと、その程度の英語力がある人なら、本書の中にあるような英文素材を自分で探し始めてもいいはずなのだ。

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