ネイティブチェックで鍛えるビジネス英文ライティング

新しいライティング教材へのアップデート

昔からビジネスレターの教材は数多く発行されたが、2000年以前の教材はほとんど役に立たなくなった。

というのも、その時期からビジネスでEメールが多用され、ビジネス英文の文体が劇的にカジュアルになったからだ。古い教材の英文は、Eメールで使うと不自然だという。

また、英語圏において差別語への認識が高まり、公的に使われる単語も変化した。(「ビジネスマン」ではなく「ビジネスパーソン」が使われるなど、いわゆる political correctness への配慮)

本書は、そういった時代の変化に合わせて、より適切なビジネスライティングの教材として編集されている。

2003年に第一版が発行されベストセラーになった。2013年に加筆され、改訂第2版となった。ビジネスライティングの分野では、不動の定番教材。

いかにも模範的な構成

著者はディビッドセイン氏だけあって、構成が実に練られている。一目で学習効果が高そうなつくり。

第1章では、ビジネスEメールの書き方を解説。「不要な前置きはできるだけ避ける」「冗長な表現は避ける」など。

第2章の基本編では、「依頼する」「提案する」など目的別の表現を解説している。「よい知らせを伝える」「悪い知らせを伝える」など、それが知りたかったと唸るような41テーマ。

第3章の実践編では、「出張のアレンジ」「受注する」「解雇の通達」「会議の通知」「就任の挨拶」といった57の事例。メール全文の解説となる。

ネイティブチェック形式は「当たり」だった

さて、本書の特徴は、なんといってもネイティブチェック形式になっていること。単に模範の英文を示すのではなく、日本のビジネスパーソンでありがちな間違いが書いてあって、それを赤ペンで訂正しながら解説している。

このネイティブチェック形式は、はたして有効な編集方針だろうか。 自分の間違いを訂正してくれるわけではなく、ありがちな間違い(他人の間違い)に赤ペンチェックが入っているのは有効だろうか。

結論からいうと、格段に学習効果がある。

間違い表現、正しい表現、それぞれが対置されることになって、学習ポイントが印象に残りやすい。表現を比較することで、はじめて興味がわいてくるのだった。

むしろ、単なる例文を見せられても、そこから学ぶことは難しいことに気づく。一方的に模範英文を示すような教材が、実に退屈なものだと気づいてしまった。

間違い表現の内容は、「語法の間違い」「ニュアンスが間違って伝わる表現」「冗長すぎる表現」の3つが多い。それらは「自分もそう書いてしまうかも」と感じる間違いばかりだ。著者のディビッドセイン氏は、日本で長年にわたり英語を教育してきたので、日本人にありがちなミスを完全に把握しているのだろう。

ビジネス英文Eメールを学習したい人には、本書を強くお勧めしたい。ビジネスEメールがカジュアル表現であることを考えると、普通のライティング教材としても使える。

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