英作文のための和訳・英訳トレーニング100題 著者:宮野晃 出版:ベレ出版 発行日:2003/10/25 |
本書は「原文復元法」を提唱している。
まず英文を和訳して、次にその文章をもう一度英語に戻す。和訳と英訳を同じ文章で行う学習法である。
和訳してから英作文するメリット
原文復元法にはどんな利点があるのだろうか。
まず、英作文の際に心理的抵抗感がなくなるという点がある。
いきなり日本語の文章を見せられて「さあ英作文してください」というトレーニングだと、学習者の負荷が大きいので長続きしないことが多い。
この学習法は最初に模範英文を読んで、和訳してから同じ内容を英作文するので、比較的すんなり取り組める。さくさく英作文するのはけっこう快感である。
日英の発想の違いがよくわかる
また、同じ内容を日本語と英語で表現するので、日本語と英語の発想の違いがよくわかるという利点もある。
英文を和訳した段階では見過ごしていたことが、もう一度英文に戻す過程で発見できるのだった。
英作文が英語力をつける
この学習法は以前から知られているというが、評判がいい割にはあまり知られていないように感じる。
少ない量の英文を徹底的に学ぶ精読型の学習をする場合は、その文章を英作文する学習段階を加えてみてはいかがだろうか。
本書には50語程度の文章が100題あって、ありがちなミスを添削した解答例もある。英文の話題・難易度は幅広く、文章の長さも適切なものが用意されている。
本書の中で自分のレベルに合った問題を解いて、あとは違う素材を探してみてもいいだろう。
口頭で英作文する簡易バージョン
ところで、他のレビュー教材「TOEIC実践学習法」の中で「作文用リーディング」という学習法があった。
英文の内容をイメージして、目を閉じてもう一度英語に戻す学習法である。イメージするだけなので手軽に行える点と、日本語を介さないという利点がある。
最初に「原文復元法」をやって、次に「作文用リーディング」やってみるなど、複合して使ってみると学習効果が高いかもしれない。