このページでは、英語のプレゼンテーション動画(TED.com)を使った英語学習を紹介しています。
TEDとは
TED(カンファレンス)とは、各分野の第一人者による講演会のこと。米国のカリフォルニア州で毎年開かれている。2006年以降、講演の動画がネットで公開されるようになった。
英語の字幕、日本語の翻訳字幕を表示して視聴することができるため、英語教材としても人気が高まっている。
TED.com
公式サイト。テクノロジー、ビジネス、科学などのカテゴリから動画を選択することもできる。
TED talks
YouTube のチャンネル。
アプリについては、「TEDの公式アプリ」ページで解説。
プレゼンテーションの魅力
TEDのスローガンは、”ideas worth spreading”「広める価値のあるアイディア」。
技術者、科学者、起業家、政治家、芸能人など、あらゆる分野の第一人者が、自らの経験や成果をスピーチする。
内容はもちろん興味深いのだが、必ずしも新しい情報というわけではない。世界的に業績が知られている著名人の場合、どこかで読んだり耳にした内容も少なくない。
TEDの「売り」は、情報的な価値というよりも、「本人のプレゼンテーション」という部分にある。講演者の個性だとかエネルギーが伝わってくる臨場感は、TEDの魅力といえるだろう。
日本でも人気が高まっている
日本でTEDが知られるようになったのは、ベストセラー書籍「フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略」によってだと思われる。
TEDの会場に入るためには、7,500ドルという高額な年会費を払う必要があるのだが、ネットで無料視聴できるにも関わらず、その金額を払う人たちが大勢いる。
「フリー」によれば、TEDが会員を集められるのは、講演会の会場にいることに価値を感じる人が多いからだという。(音楽のライブ感覚?)
日本でも人気サイトとなったTEDだが、ついにNHKの英語講座にも登場した。2012年のNHKテレビ英語で、TEDを素材にして英語を学ぶ番組が放映されている。英語のプレゼンテーションを学ぶのがテーマ。
英語教材としての使い道
TEDの動画は、一言一句を聞き取るリスニング素材として使うよりも、内容を楽しむことを第一にしたい。そのため、英語教材として使うのは中級レベル以上の人になる。
TEDの英語の特徴
- 一般の人に向けたスピーチなので、多くのシーンは日常英語とレベルが変らない。上級者にとって、普通に聞き取れるので自信がつくかもしれない。
- ただし、語彙について言えば、専門分野に関わるテーマが多いため、難しい単語が飛び出してくる。ボキャブラリーの重要性を痛感することになる。
- 講演者はナレーターやアナウンサーではないため、人によっては非常に早口だったりする。動画によって難易度のバラつきは大きい。
英語教材として使う動画、内容を楽しむ動画、それぞれを明確に分けて取り組んだ方が良さそう。
聞き取りがグッと楽になる工夫
当たり前のことだが、以下の3点は頭に入れておこう。
- 予備知識のあるジャンルの動画を選ぶと聞き取りは楽になる。特に、同テーマの洋書を読んでいてボキャブラリーが身に付いている分野。
- 最初に日本語字幕で内容を把握すると聞き取りは楽になる。
- 英語字幕を表示させながら視聴すると聞き取りは楽になる。
字幕については、動画のレベルによって切り替えよう。
難しいと思った動画は、無理をせずに日本語字幕を表示させる。もう少しで聞き取れそうだと思ったら英語字幕を表示させる。聞き取れそうなら、字幕はなし。
たまには、聞き取れない動画であっても、字幕をいっさい使わないようにする。聞き取れない英語のストレスに慣れておいた方がいい。(英語の学習効果はないが、ストレス耐性をつけるため。この耐性がない人は、現地で聞き取れない英語にもまれると、精神的に消耗してしまう。聞き取れることを前提とした学習ばかりでは、タフになれない。)
発展的な学習
TEDには感動的な動画も多いので、単なるリスニング素材で終わるのはもったいない。発展的に使ってみよう。
- 感銘を受けた講演者については、プロフィールや業績をwikipedia等で調べてみる。講演者のブログを定期的に読む。
- 感銘を受けた講演者については、著作がないか調べて洋書で手に入れる。たまにTEDの動画で生の著者を見ながら、洋書を読み進める。
- 感銘を受けた講演者については、どこが感動的だったのか考える。内容だけでなく、プレゼンテーションの特徴、声のトーン、しゃべり方、間の取り方など、学べるところを探す。
英語のプレゼンテーション・スピーチの実例として、これほど多くの素材が手に入るサイトは他にはない。上級者にとっては最高の英語素材と言えるだろう。自分なりの学習ポイントを見つけて有効活用してみよう。