レバレッジ英語勉強法 著者:本田 直之 |
特定分野にターゲットを絞る英語学習を推奨。
3ヵ月で「役に立つ英語力」を身に付ける。
「即効性」を重視して、限られた範囲内の英単語やフレーズを学ぶ。
漠然と英語学習を始めてはいけない
なんとなく「英語をマスターしたい」という理由で英語学習を始める人は多い。明確な目標がないから、バイリンガル的な理想を追うことになる。
そして延々とインプット学習を繰り返し、結局は挫折してしまう。
そのような高い目標は非現実的だし、通訳を目指している人でもなければ無用だと著者は言う。
そこで本書は、ごく狭い分野にテーマを絞って、その範囲内で英語を使えるようにしようと主張する。
3ヶ月で学習の成果を出す
仕事に関係したテーマでもいいし、趣味のテーマでもいい。英語を使いたい分野を明確に定めて、集中的な学習で自信をつけるのが肝心なのだ。
目的に即した狭い範囲の知識(偏った知識)なら、基礎的な英語レベルでも役立つ。
たとえば、海外旅行のために英語を学習するなら、海外旅行で使うフレーズや単語を覚えた方が短時間で済む。
よく考えれば当たり前のことなのだが、本書はこの主張が一貫している。読後感が力強くて、勇気を与えてくれる。
本書に書かれいている学習法には目新しい内容がなかったものの、「英語を勉強しよう」というモチベーションが上がる。
英語が苦手な社会人に最適
本書の学習法は英語に苦手意識をもっている人ほど有効だろう。
苦手な分野を攻めるときは、目標を下げて短期決戦で乗り越えるのが効果的となる。
できるだけ早く「英語が使える領域」を確保することで、苦手意識は払拭するし、次につながるエネルギーが出てくるからだ。
特に、社会人になって英語をやり直すときには、漠然と学習している時間はない。必要最低限の英語力を身に付ける本書の戦略が有効となる。
逆に、もとから英語が好きなタイプは、このように偏った学習をする必要性を感じないかも知れない。そのような人は、言語感覚を丁寧に磨きあげた方が学習の成果が出やすいこともある。
英語好きの学生は、広い範囲で英語力を底上げしておいた方が、将来の伸びしろが増えるはずだ。
すべての人に有効な学習法はないので、自分のタイプを冷静に見極めよう。