英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版 著者:秋葉 利治, 森 秀夫 |
ダイアローグ(会話)の中で英単語・熟語を覚えようというコンセプト。Basic1200はTOEIC500~650レベル、1800はTOEIC700~860レベル。
三訂版の特徴として、TOEICリスニングで出題される4カ国の英語に対応。アメリカ人、イギリス人、カナダ人、オーストラリア人の登場人物で音声が吹き込まれている。
音声素材の量がすごい
初版が2000年に刊行されたときには、音声素材が多いことが話題になった。
Basic1200は短めの会話を171テーマ収録(CD2枚)、1800は長めの会話を108テーマ収録(CD3枚)、という膨大な量。当時は、CD3枚付属の教材は珍しかった。
この値段にしてはかなりお買い得感がある。単語集というより事実上のリスニング教材といえる。
以下、「ダイアローグ1800」の内容をご紹介したい。
会話の内容は、日常生活、娯楽・レジャーから、健康・医療、ビジネス、法律、社会問題まで多岐にわたる。
上記は目次ページだが、テーマ6はビジネスで16本のダイアログを収録。
こういったテーマは10個あって、合計108本のダイアログとなる。
1本のダイアログもそこそこ長い。
上記はテーマ3娯楽・レジャーの中のダイアログ22番「レンタカー」。
ダイアログによって長さは様々だが、1ページから2ページほどの英文量となる。
ダイアログの後には、見出し語となるボキャブラリーが整理されている。
「ダイアローグ1800」は、1800個の英単語・熟語を覚えることになる。
膨大な量のダイアログ素材があり、その中に出てくる1800もの見出し語。
まさに圧倒的な量をおしげもなく提供してくれる教材。
普通の英語リスニング教材として使って、見出し語は確認用に使うといい。
英会話が聴き取りやすい
ダイアローグは、難しい構文や凝った口語表現が使われていないので、会話音声が聞き取りやすい。
NHKラジオ英語講座は凝った表現が使われることがあり、レベルの割には聞き取りが難しく思えることがある。
ダイアローグは平易な会話がどこまでも続いていくので、意外なほど簡単に感じるはずだ。単語さえわかれば聞き取れるような感じ。
もともと単語力をつけるのがコンセプトだから、あえて構文・表現は簡単にしたのだろう。
それが功を奏して、リスニングが苦手な人にとって最適な教材となった。
簡単なレベルを大量に
昔の英語教材は、短い素材の中に単語・文法構文・表現といった学習要素を詰め込むタイプが多かった。
そのため、知識偏重になりがちで、いつも覚えることを課せられる。
本当は、もっと覚える知識の量は少なくして、大量の素材に触れる方が、語学は楽しいし上達する。そのためには簡単な素材を選ぶ必要がある。
これは「快読100万語!ペーパーバックへの道」で紹介した多読学習と同じ考え方だ。
ダイアローグは簡単な音声素材が大量にあるので、「簡単なレベルを大量に」という語学の王道を試すことができる。多聴素材として最適だ。