ビジネスフォレスト ビジネスコミュニケーションのための英文法81 著者:鈴木 希明、ガイ フィッシャー |
大人気の文法教材「総合英語Forest」のビジネスバージョン。ダイアログの音声はスマホアプリでリリースされている。
「総合英語Forest」は多数の共著になっているが、その中の2人が「ビジネスフォレスト」を執筆。
ビジネスシーンで英語表現を学ぶ
「総合英語Forest」は、「不定詞」「現在完了」のような文法項目別に学習する。
それにたいして本書「ビジネスフォレス」は、「同僚と話す」「クライアントと会う」「社内会議に参加する」といったシチュエーションで整理されている。
それぞれのシチュエーションで英語ダイアログがあり、表現と文法を学ぶことになる。
たとえば、「クライアントと会う」の章では、「訪問する」セクションで「目的を伝える不定詞」を学ぶ、「最初の挨拶をする」セクションで「動名詞」を学ぶ、など。
ビジネスシーンの英語表現を学習する点では、よくあるビジネス英会話の教材と変わらない。
本書の特徴は、文法用語を全面に出している点だろうか。その文法事項に自信がないときには、他の文法書(たとえば総合英語Forest)で確認しておけば、しっかりした文法力が身に付く。
文法書よりも表現集の方がビジネス向き
本書を読んでいて思ったのだが、やはりビジネスパーソンは「英文法」よりも「ビジネス英会話」の教材が向いている。
つまり、「総合英語Forest」よりも、本書「ビジネスフォレスト」をお勧めしたい。
学生時代のように文法項目を1つ1つ学んでいくのは、いかにも「語学」という感じで「遠回り」の感覚はないだろうか。
本書のようなビジネスシーンの表現集であれば、そのまま使えるような英語を学ぶわけだから、より効率的に学習できる。
ビジネスの英語は単なる道具であり、目的を達成するための最低限の条件でしかない。ほとんどの人にとって、コツコツと英文法を学んでいる状況ではないと思う。
この点は「ビジネス英語の学習法1 今すぐ必要な人」とか「グロービッシュとは何か」でも取り上げたので、そちらも参照してほしい。
本書「ビジネスフォレスト」は、文法をベースにしながらも、ビジネスパーソンにふさわしい教材になっている。
教材の音声はアプリでリリースする時代
本書のダイアログの音声は、スマホアプリがリリースされていて、スマホで聴くようになっている。
アプリは無料なので、本書を買わなくても、音声を聴くことができる。(広告は表示されるが、音声を聴くわけだから、まったく邪魔にならない)
※ ↑通常再生の他にも、ロールプレイの再生も可能。
音声を聴くのにアプリは使い勝手がいい。学生向けの教材をアプリで出すのは時期尚早かも知れないが、ビジネスパーソン向けの音声教材はアプリで出してほしいと思った。