英語はもっと句動詞で話そう

英語はもっと句動詞で話そう

著者:日向清人
出版:語研
発行日:2013/10/8

句動詞とは、” take off ” のように基本動詞+副詞(前置詞)を組み合わせた表現のこと。

日常会話で使われる「英語らしい表現」だが、苦手としている人が多い。

本書は、英米語データベースから最頻出の400表現を掲載している。

一語動詞と句動詞の言い換え

本書は単に句動詞を羅列しているわけではなく、一語動詞を言い換えるようになっている。

check → go over 「~を点検する」
expire → run out 「失効する、期限切れになる」
proceed → go on 「続行する、続ける」

それぞれ一語動詞は、どんな句動詞に言い換えることができるのか。そこを学ぶための本。

それぞれの句動詞について、ニュアンスや使い分けの解説も詳しい。著者は人気講師の日向清人氏なので、解説の中身は確かだ。

句動詞といえば、目的語の位置で迷うことがある。本書はすべての句動詞について目的語が入る位置を解説している

「似たような解説だから」と省略するのではなく、読者が迷うポイントはすべて解説しているので、句動詞を実際に使える力がつくはず。

また、多義語については、それぞれに対応する句動詞を紹介している。

advance → go up 「上昇する」
advance → move up 「昇進する」

使う意味が異なれば句動詞も変わってくるので、当然といえば当然だが。

本書をざっと読むと「なるほど、この句動詞が使えるのか」というのがけっこうある。「もっと句動詞で話そう」というタイトルに偽りなしだ。

なぜ句動詞を使うべきなのか

句動詞は日常会話で使われる「簡単な表現」のはずだが、日本の英語学習者は苦手とする人が多い。

会話ではなく文章で英語を学んだからだろうか。特に、受験英語ではそうなる。

そのため、ごく簡単な内容を言いたいときでも、難しい一語動詞が出てきてしまう

「たばこの火を消す」と言いたいときに、 put out ではなく、extinguish を使ってしまうことになる。

このように日常表現からズレた一語動詞を使うと、芝居がかってみえたり、教養をひけらかすような印象を与えるという。

英会話の力をつけるためには、句動詞こそ使いこなせるようになりたい。

本書を読んでつくづく感じたのだが、句動詞を軽く学習するだけでも「言いたいことを英語で言う」英会話力がつく。英会話の力と句動詞の力は重なっている。

実はビジネス英会話の本

本書の例文は、ほとんどがビジネスシーンとなっている。

著者の日向清人氏はビジネス英語教材を多数執筆しているので、著者のことを知っている人なら予想がついたかも知れない。

ビジネスパーソンにとってはモチベーションが高まる例文なのだが、そうでない人にとっては不満を感じるかも知れない。

「経理に出張旅費精算書を出さなきゃいけないって知らなかったの?」

こんな例文もあるので、学生向きでないことは確かだ。本書はビジネスパーソン向けの英会話教材の1つだと考えておこう。

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