ビジネス英語ライティング・ルールズ (日経文庫) 著者:森田 修, マルコム・ヘンドリックス 出版:日本経済新聞出版社 発行日:2016/1/16 |
3つの章からなり、「ライティングの心構え」「句読法(くとうほう)」「文法・語法」を解説している。
本書の中心となるのは、「句読法」。
句読法とは、カンマ、ピリオド、コロン、セミコロン、大文字といった記号の使い方のこと。
新書サイズのハンドブックで、英語ライティングの句読法を一通り理解できる便利な本。
曖昧な句読法がすっきりわかる
英会話(話し言葉)のときは見えないが、ライティング(書き言葉)では記号を多用する。
ピリオド、カンマ、コロン、丸カッコと角カッコ、ハイフンなど。
英語ライティングでは、それらの記号の使い方が欠かせない知識となる。
本書を読むと、句読法の半分以上はすでに知っていることが書かれている。
- 文の終わりにピリオド(.)を置く。
- 数字は3桁ごとにカンマを入れる。(\80,000,000)
- 人名や地名の最初の文字を大文字にする。(Paris)
これらは基本中の基本なのでご存知のはずだ。
ただし、句読法の中には、今まで知らなかったことや、曖昧だったことが出てくる。
- 発言を引用する場合、数字はスペルアウトする。
- 引用符は、アメリカ英語では「ダブル」、イギリス英語では「シングル」を用いる。
- 固有名詞に対する補足的説明は、丸カッコではなく角カッコを用いる。
本書を読んでみて、使い方が曖昧だった記号が多いことを思い知った。
ビジネス例文で句読法を学ぶ
句読法を解説した教材はいくつかある。
たとえば、以前レビューした「英語ライティングルールブック」でも解説されている。
それらの類書に比べて、本書は「ビジネス英語」であることを前面に出している。
たとえば、ほとんどの例文がビジネスシーンをテーマにしている。
ビジネスパーソンにとっては、実践に近いビジネス例文で句読法を学んだ方が、より頭に残るはずだ。
また、本書は句読法の項目数が多く、より詳しく解説している。
ビジネス英語の句読法リファレンスとして、ぜひ手元に置いておきたい一冊となっている。