アメリカ日常生活のマナーQ&A

アメリカ日常生活のマナーQ&A

著者:ジェームス M.バーダマン, 倫子バーダマン
出版:講談社インターナショナル
発行:1997/1/10

アメリカのマナーを対訳形式で紹介。

講談社バイリンガルブックスのシリーズ。

対訳の米国マナー豆知識

大型の書店に行くと、棚の一画を占めているクリーム色のカバーをした本書のシリーズをよく見かける。「茶道」「日本料理」「日本史」「日本国憲法」など、日本の文化を対訳したものが多い。最近では映画「ラストサムライ」の影響で、このシリーズの「武士道」が売れているという。

本書は日本文化というよりアメリカ文化に関するもので、「会話」「贈り物」「レストラン」「訪問」などでのアメリカンマナーを紹介している。日米共通の常識的な項目も少なくないが、マナー集という内容上それはやむをえないだろう。「贈り物を差し出すときに英語で何と言うか」「電話での切り上げ方」などなど、気軽に読める有益なアドバイスが数多くある。

「お辞儀やジャパニーズスマイルは誤解のもとになっている」という点や、「謝るときは I’m sorry. だけでなく謝っている理由を述べる」といった点は、よく耳にする内容だがやはり重要なアドバイスではないだろうか。マナーは生理的に訴えるものなので、「それは文化の違いだ」などと強弁しないで「郷に入っては・・・」とわきまえておいた方が賢明だろう。日本人に知っておいてほしいと常々願っていることを著者は書いたと思われる。

一部、「日本でやるようにスープをズルズルすすらない」といった、なんだかなあ・・・という記述もある。言うまでもなく日本でもマナー違反なのだが、なぜ「日本でやるように」なのだろうか。(米国の方がその辺りのマナーに敏感であろうことは、なんとなく察せられるが)。著者は今までに、ズルズルとスープをすする日本人をあまりに多く見かけたのだろう。ラーメンかも知れない。

本書で使われている英語は非常に読みやすく、語彙・文法も中学英語レベルの域を超えていない。このシリーズは簡単な英語で様々なことを説明しているものなので(「武士道」など原書があるものは除く)、発信型英語のトレーニングに適しているようだ。日本語の文章を読んで、英語でどのように表現するかを考えてみてもいい。このシリーズのタイトルで興味を覚えたものがあったら、試しに一つ読んでみたらいかがだろうか。

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