英文法、ネイティブが教えるとこうなります 著者:デイビッド・セイン, 森田 修 |
ネイティブの語感を解説した本。
2つの英文を比較しながら、ネイティブはどのように使い分けているか?といった観点からネイティブ感覚を解説する。
共著者のひとりは、英語教材でお馴染みのデイビット・セイン氏。
2つの英文を比較する工夫
本書の特徴は、2つの英文を比較しながら文法を学ぶところにある。
「AとBの意味の違いは?」「AとBのどちらが正しいか?」等をまず考える。
「ネイティブが時制の一致を無視するとき」の項目では、以下の2つの英文を比較して、意味の違いを考える。
A: I heard he’s an honest man.
B: I heard he was an honest man.
Aは、時制が一致していないので、文法的には間違っている。ネイティブは間違いだと知りながら使うことがあるという。
それは「今の気持ち」が前面に出ているとき。
話者が「彼は今も正直だ」と思っているから、時制の一致を無視して現在形を使っている。
“He’s an honest man.”を強調したい気持ちが表れている。
事実上、以下のことを言っているという。
He’s an honest man.That’s what I heard.
彼は正直者だよ。僕はそう聞いたからね。
実際の英会話では、Aを話している人の口調から、話者の気持ちが入っていることは明白かも知れない。
時制の不一致について、まったく気にならないはずだ。
本書は、このように2つの英文を対比させることで、英語の語感をわかりやすく解説している。
気軽に読んで英語感覚を磨く
本書は新書サイズの薄い本なので、それほど突っ込んだ解説をしているわけではない。
「全否定と部分否定」とか「完了形」の項目では、どの文法解説書でも書かれている内容にとどまっている。
そうはいっても、一読しておけば、あやふやだった部分がスッキリ理解できるはずだ。
基本文法を一通りマスターした人が、英語感覚を向上させるのに最適な本だと思われる。
こういった本は、気軽にどんどん読んでおきたい。