英単語の語源図鑑 著者:清水建二, すずきひろし, 本間昭文 (イラスト) 出版:かんき出版 発行日:2018/5/23 |
語源で英単語を学ぶ。
1単語につき1つのイラストで解説。
出版から1年もたたずに50万部を発行。
チャーミングなイラストが人気
英語の「語源」をテーマにした本書は、2019年2月時点で50万部を超えるベストセラーとなった。
大型書店でも大量に平積みされていて、語源の本がそこまで売れていることに驚いてしまった。
なぜ本書「英単語の語源図鑑」はベストセラーとなったのか。
その理由は、本間昭文氏によるチャーミングなイラストにあると思う。イラスト化の素案は、すずきひろし氏が担当。

本書のシンプルなイラストを見ると、語源にたいして親しみがわいてくる。
語源はボキャブラリーを増やすのに最適なのだが、難しそうに思えて敬遠していた人が多いはずだ。
そんな人でも、肩の力を抜いて楽しめる教材になっている。
1単語に1イラスト
本書の特徴として1単語に1イラストをつけている点にある。
執筆するのに大変な手間がかかっている。

上記は、struct(積む)を語幹としている英単語が掲載されている。
このようにして、語源から英単語を次々と覚えていく。
それぞれの英単語を知っている人でも、語源を知ることでより強固な記憶となる。
語源によって英単語が身につく感覚をぜひ体験してほしい。
語源の教材にはそれぞれ個性がある
語源について、別の本と比較してみたい。
たとえば、「語源でたどる英単語まんだら」では、以下のような構成になっている。

語源を軸にして、次々と英単語をつなげている。1つの古語から、現代の英単語が派生していくイメージがわかりやすい。このくらいスピード感のあるレイアウトが好きな人もいるはずだ。
「英単語の語源図鑑」は、1単語1イラストで解説が付いているので、1つ1つの英単語を丁寧に学習できる。
語源の本にはそれぞれ個性があるので、自分に適している方を選ぼう。
語源を学ぶメリット
最後に、「英単語の語源図鑑」の中から一部を引用する形で、語源で学ぶメリットを確認したい。
以下のような英単語がある。
lavatory トイレ
laundry 洗濯物
lavish 気前のよい
lava 溶岩
lavender ラベンダー(ハーブ)
語源を知らない人は、これらの英単語をバラバラに覚えるしかない。
しかし、語源に注目してみると、上記の英単語のつながりが見えてくる。
上記の英単語は、同じ語源 lav[a] をもっている。lav[a]には「流れる」「洗う」という意味がある。
lavatory トイレは、流れる場所。lavishは、湯水のようにお金を使うことから「気前がよい」。ラベンダーは、かつて洗濯物の香り付けや浴用の香水として使われていたことから。・・・
このように関連付けが見えてくると、英単語の秘密を知ったような気がして、英語そのものに親近感が出てくる。
語源に注目するからこそ、英語のボキャブラリーは格段にアップするのだった。