場面別 会社で使う英会話―きちんとしたビジネス英会話を学びたい人向けの本 著者:味園真紀, ペラルタ葉子, ディーオーエムフロンティア 出版:ベレ出版 発行日:2002/11 |
ビジネスシーンをテーマにして、ダイアログ(対話)と表現を学ぶ。
いわゆる典型的な「ビジネス英会話」の英語教材。
中学英語レベルのやさしい内容で、数多くのビジネスシーンを学ぶ。
ビジネスシーンを細かく分類
本書の特徴を挙げるとしたら、ビジネス「場面」を細かく分類していること。類書にないほど、ビジネスシーンを細分化している。
たとえば、8章の「クレーム」では以下のようなビジネスシーンを学ぶ。
- 商品が破損していた場合
- 欠品している場合
- 商品が届かない場合
- 注文とは違う商品が届いた場合
- 品質が見本と違う場合
- 請求金額が間違っている
- 代金が未払いの場合
クレームの章だけで、多様な場面を取り上げていて、それぞれをダイアログ(対話形式)で学ぶ。
ダイアログの後で、さらに細かく分類された「応用表現」を学ぶ。
上記の「商品が破損していた場合」の項目では、「破損のクレームを伝える」「破損商品への対応を要求する」「破損商品に対応する」「破損状態を尋ねる」といった応用表現がある。
さすがに、すべての場面別にダイアログを掲載するのは無駄が多いと思ったのだろう。応用表現は、文例集となっている。
それにしても、8章「クレーム」の中にある7項目のうち、たった1項目でこのボリューム。
全部で11章あり、膨大なビジネスシーンをカバーしている。音声CDは2枚付いている。
ここまで細かく分類された英文を学習すると、どんなビジネスシーンでも一通り経験したような気分になる。きっと自信がつくことだろう。
ビジネス英語は「なんとかなりそう」と思える教材
本書の英文はどれもシンプルで、意図的に簡単な英文を紹介しているように感じる。
どんなビジネスシーンであっても、最低限のコミュニケーションは中学英語で可能。そう伝えたかったのだろう。
「実践英語応対マニュアル 電話&受付」でも書いたが、ビジネス英語が難しいということはまったくない。英語に苦手意識がある人でも、「なんとかなりそうだ」と感じることのできる一冊である。
ただし、英文として見れば簡単であっても、コミュニケーションを自在に行うためには、やはり一定期間のトレーニングは欠かせない。言うまでもないことだが。