イングリッシュ・モンスターの新TOEICテスト最強勉強法 著者:菊池健彦 |
経歴がユニーク
著者は、34歳から7年間引きこもったという。暇な時間を持て余して、英語の勉強を開始する。TOEICで990点を取るまで、2万5千時間を英語学習に費やしたという。その後、英語講師として社会復帰することになった。
人生で行き詰まり、一つの道で努力を重ね、やがて人生を切り開く。見事な逆転劇は、著者の売りの一つになっている。現在、己の道を切り開くために頑張っている人たちは、著者のユニークな経歴に勇気付けられるはず。
TOEIC600を目指す人に
本書の内容は、「文法」「リスニング」といったスキルから、「心構え」「試験当日」「パート別対策」など、TOEICに関わる広範囲のテーマを取り上げている学習ガイド。
項目は幅広いが、必ずしも体系的な内容ではない。「さまざまなネイティブの発音を聞こう」というような大雑把なアドバイスだったり、「ネガティブな単語は出ない」といった試験傾向だったり、「倒置と仮定法現在に注意」といった細かい話だったりする。
著者が思いついたことをそのまま書いている印象があって、学習ガイドとしての完成度はイマイチだ。しかし、学習ガイドは必ずしも体系的である必要はなく、ざっくばらんに語られた経験談から何らかのヒントが得られればいい。
著者の学習法のキモの部分をまとめるなら、以下の2点だろうか。
- 量と反復
「コメディードラマのカセットを100回聴くことを目標にしていた」「25万~30万語を収録した大辞典を使う」など。 - 細切れの学習
「3日坊主を繰り返す」「電子辞書を持ち歩く」など。
本書では、TOEIC600点というのがキーワードになっている。このレベルを超えるための考え方を中心に述べている。
英語の初級レベルの方で、まずはTOEIC600を目指す人にとっては、有益なアドバイスが多いはず。全問解答を目指さず、細かい聞き取りにもこだわらない。不要な部分を捨てる学習テクニックが数多くある。