話せる英単語ネットワーク 動詞編―イメージでわかる→覚える→使える 著者:田中 茂範 出版:アルク 発行日:2008/10 |
21の基本動詞のコアイメージをつかむ。
英会話に直結するエクササイズも豊富。
コア(本質的な意味)に注目
基本動詞は様々な場面で使われる。たとえば、takeを例にすると、以下のように多様な使い方ができる。
She took it.
このワンフレーズにしても、彼女は「食べた」「盗んだ」「受け入れた」「手に取った」「理解した」といった幅広い使い方がされる。
英単語と日本語訳を1対1で覚えようとすると、多くの意味をもつ基本動詞は混乱の元になる。英語の初級者がつまづくポイントではないだろうか。
本書は、基本動詞のもっているコア(本質的な意味)を解説することで、応用範囲の広い動詞をマスターしようというもの。
状況によって様々な使い方ができる動詞であっても、コアは常に一定なので、コアさえ抑えておけば感覚的に英語を使えるようになるという。
たとえば、上記のtakeであれば、「HAVE空間に入っていく動き」というコアがあるという。
どのレベルの学習者に勧めるか迷う
基本単語のコア(本質的な意味)が大切なのは間違いないが、普通に英語を勉強していけば身に付いていく側面もある。英語の経験が豊富な上級者にとっては、「今さら感」がただよう内容ともいえる。
初級者ならいいかといえば、コアの説明がマニアックなのが気になる。何ページにもわたって解説すればするほどイメージが遠のいていく単語がいくつかあった。本書のテーマを必要としているのは初級者のはずだが、かえって混乱するかも知れない。
ということで、おすすめできる学習者のレベルが限られるのだが、中級レベル程度で本書のテーマに興味がある人は試してみてはいかがだろうか。単語のコアに意識を向けるようにすれば、上達が早まる可能性はある。
本書の長所はエクササイズにある。本書のタイトルに「話せる」とあるように、英会話の使用を前提にしたエクササイズが豊富に用意されている。基本単語のパターンが網羅されているので、一通り学習すれば力になるはずだ。