本書は、アメリカでよく使われている口語表現を若者文化とともに紹介している。卑猥な表現から罵り言葉まで、日常生活のみならず映画やネットでもよく見かけるであろうスラングの解説が中心。その言葉の「やばさ」をレベル表示するどくろマークもある。
例文も過激で面白い。この手の「生きた口語」には、生気の抜けた正しい会話表現とは違って、独特のリアリティとエネルギーがある。使うのは避けた方がいいけれど、ちょっと使ってみたくもなる。これがスラングの面白さだ。
スラングを学ぶことには否定的な意見もある。
・一歩間違えればヒンシュクを買う「やばい」表現をわざわざ身につける必要がない。
・旅行や仕事で訪れる外国人にとってはスラングを使う場面がない。
・そもそもいい歳をした大人は使わない。
などなど。
スラングを覚えても、せいぜい一部の洋画とかドラマの中の言葉がわかるくらいの意味しかない。
それは確かにそうなのだが、そういったことだけでスラング英語を敬遠してはつまらないような気もする。せっかく英語を学習しているのだから、性や排泄や禁忌を含めて向こうの文化を丸ごと楽しむくらいの方が、言葉は上達するのではなかろうか。本棚の中に卑猥な表現集を1冊くらいは用意しておいて、たまにはページをめくってみよう。
同様のテーマで以下の書籍も人気がある。
・ネイティブがよく使う英語スラング―映画・ドラマが楽しめる
映画やドラマで使われているスラングを集めて解説している。
・誘う英会話
サンスポで好評連載されていた大人のための英会話ガイド。スラング集ではないが、男と女の情事に関する会話を集めてあって面白い。