中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。

著者:山田暢彦(監修)
出版:学習研究社
発行日:2011/4/13

英語をやり直したい人に向けて、中学3年間の内容を1冊にまとめた教材。

英語の超基礎から丁寧に解説。すべての英文に音声CDがついている。

見開き2ページでわかりやすい

本書は、中学で習う基礎の英文法をどこまでも丁寧に解説している。対象者は、英語を基本からやり直したい高校生~社会人。

本書の構成はわかりやすい。すべての項目が見開き2ページになっていて、左ページに解説、右ページは基本練習の問題となっている。

1項目の分量が少ないので、それほど負担もなく一歩一歩マスターできるはずだ。

教材の構成がわかりやすいので、1項目ずつ達成感を得られる。

以下、本書の優れている点を3つ指摘したい。

1.すべての英文に音声CDが付いている

入門レベルの英語を学ぶ人は、英文を見せられても発音がわからないと思われる。必ず音声付きの教材を選ぶようにしよう。

これは会話か文法かという問題ではない。音がわからないままで言語を勉強するのは、まったく無意味なことなのだ。(入門レベルの独学教材でありながら、音声CDがついていないケースがある)

本書は全英文に音声をつけている。音がわからない状態で英文を目で追うような学習を避けることができる。

右側の基本練習の英文は、すべて吹き込み音声がある。

問題を解いた後で、音声を聞きながらリピーティング練習ができる。

2.理解しやすい解説

一口に「中学英語」といっても、基本から応用まで難易度にばらつきがある。細かい文法項目まで踏み込んでいる中学英語の教材も少なくない。

本書はごく基本の文法に限定しているので、英語を苦手とする人が「もう一度」やり直すのに最適。

上記は what to do ,where to do の表現。

本書は文法用語をできるだけ使わずに、丁寧に解説しているのも好印象。

上記ページの内容は、他の文法書だと「疑問詞+to不定詞で名詞句を作る」のような解説をしがちだ。

しかし本書では、文法用語をほとんど使っていない。英語が苦手な人にとって、本書は親しみやすく感じられる。

3.問題の量がちょうどいい

解説文を読んでいても文法は身に付かないので、パターンプラクティスや英作文の練習が必要となる。文法が体に染み込むまで、自分で英文を作ってみることをお勧めしたい。

とはいっても、入門レベルの人に大量の問題を課すのは、あまりに負担が重すぎる。とりあえず、挫折しないくらいの適度な練習問題がほしい。

本書は、項目毎に1ページの練習問題の他に、いくつかの項目をまとめて復習テストがある。

英語をやり直す人にとって適度な練習の量。もちろん、復習テストの英文も音声CDがついていて、音読練習ができる。

本書で浅く広く勉強して、英語の輪郭がつかめるようになったら、次のステップに進むようにしよう。

入門レベルの良心的な教材:改訂版が出た

ということで、上記3点をみても実に良心的な教材となっている。英語に自信がない方にお勧めしたい。

本書は長年にわたって売れ続けているが、読者の支持があってこそ。

2022年に改訂版が出た。

→ 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版(Amazon.co.jp)

全面改訂されオールカラーになった。音声でスピーキング練習ができる問題構成になった。スマホでの復習用音声が特典としてついている。さらに2021年度の中学校学習指導要領に対応して、仮定法などが含まれる。

これから本書を買う人は、改訂版を選ぶことになるだろう。

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