関谷英里子のたった3文でOK!ビジネスパーソンの英文メール術 著者:関谷英里子 出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン 発行日:2012/9/20 |
ビジネス英文メールの文例集。メール文例は3文(3センテンス)で書かれている。
「伝えたいことを端的に伝える」ことを主眼としたお勧め教材。
著者はカリスマ同時通訳者の関谷英里子さん。
3センテンスで必要十分
ビジネス英文メールをテーマにした教材は多数あるが、本書は珍しいコンセプトを掲げている。
すべての英文メールをたった3文(3センテンス)で書いている。
「端的に伝える」ための3文を学ぶのが狙い。
実際にメール文例を見てみよう。以下、「見積書を依頼する」メール文例。
- サンプルを気に入ったこと
- オーダーとほしい日程
- 見積書の依頼
この3センテンスで、見積書を依頼する英文メールが書かれている。
端的でわかりやすく、必要十分な内容だった。
次に、社内メールの文例を見てみよう。
「進捗状況を報告する2」の文例で、プロジェクトがうまくいっていないケース。
- プロジェクトの進捗が思わしくないこと
- どれくらい遅れそうか
- 対策を練りたい
この3センテンスで構成されている。
これも必要十分な内容だ。
「他に何か書くことある?」という感覚
本書のビジネスメール文例は、どれもシンプルで伝わりやすく、必要なことはすべて書かれている。
他に何か書くとしたら、どんな内容があるだろうか?
加えるセンテンスが思い浮かばないほどだ。
考えてもみれば、Eメールは簡潔に書くのが大前提。3センテンス程度がちょうどいい。
ビジネスチャットの普及でもっとシンプルに
最近はメッセージアプリを用いたビジネスチャットが普及している。3文どころか1文のやりとりが基本。
メールにも影響を及ぼして、今後はますますシンプルな文章が好まれるはずだ。
英文メールは3センテンス程度で書くことが当たり前になるかも知れない。ダラダラした長文メールは読んでもらえなくなるだろう。
3文だから英文メールに自信がつく
本書では50のメール文例を掲載している。
以下のテーマで章立てしている。
- あいさつ
- 問い合わせ
- 商品の発注・受注
- 交渉
- クレーム
- 謝罪
- アポイントの設定
- 社内のやりとり
- 距離が縮まるメール(休暇の連絡、歓迎会のお誘い、転勤のお知らせ、等)
すべてビジネスEメールが3センテンス程度で、しかも簡単な英語を使っている。
本書を一読すると、「このくらいの英文メールなら自分でも書ける!」という気になる。「たった3文」の英文メール教材は、学習者に自信をつけてくれる。
もちろん、すべてのビジネスメールが3文で済むはずもないので、他のビジネス英語ライティングの教材もあたってほしい。
しかし、まずは本書「たった3文」の英文メールから練習することを強くお勧めしたい。英文メールの基本がしっかり身につく。