英語力が飛躍するレッスン

丸暗記という語学の王道

英語力が飛躍するレッスン―音読・暗写・多読のメソッド公開

著者の今井氏は高校教師ということで、本書では授業で実践している学習法を公開している。このメソッドによって学生たちは抜群の英語力向上を達成したという(「函中の奇跡」)。

学習法の内容は、タイトルの副題にあるように「音読・暗写・多読」の3つのトレーニングを軸に行う。「音読」と「多読」についてはご存知のとおりだが、「暗写」というのは珍しい。暗写とは、学習した英文を丸暗記して、何も見ないでその英文を書けるようにするトレーニングのことを言う。

音読と暗写はワンセットで行うわけだが、その合間にはハンドアウト(自作プリント)を使った語彙の予習などが組み合わされる。一見すると優良なトレーニングを組み合わせているだけにも見えるが、重要なポイントは学習量にある。

音読の回数は、予習で3回、授業で5回、復習で10回、書写のときに10回、Read and Look Upで数回、合計30回前後こなす。2回や3回声に出すだけの手軽な音読ではない。

また、暗写については、英文を見ないで1回書ければそれで終わりではない。「最低4回、理想は10回」書写するのだ。ここまでやってこそ素材の英語が自分のものになる。

まさに「教科書を丸暗記」するほどの精読系トレーニングだが、これは著者の実体験が元になっている。家が貧しかったため塾に行けなかった著者は、父の友人から「英語教科書の丸暗記」を教えられたという。それを実践した結果、英語科目はずっとクラス最上位となった。

そこで著者は「語学学習の王道は本文丸暗記」であると悟るわけだが、これはシュリーマンの学習法にも通じる。シュリーマンは自分のギリシャ語の間違いを指摘されても、「ホメロスの~の部分にこれと同じ文がある」と反論できるほど原文を丸暗記していたという。

丸暗記というのは語学の達人がたどり着く一つの結論なのかも知れない。一定の分量の英語を暗記するほど繰り返し学習する時期は、英語力の飛躍を図る上で有効だと思われる。

■更新
トレーニング別>ライティングの中に本書の「暗写」トレーニングを追加

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