多聴多読マガジン

書籍教材

多聴多読マガジンは、やさしい英語をたくさん読んで聴く「多読」「多聴」をテーマにした雑誌。

隔月刊で発行されている。

難易度の違う洋書Graded Readersが中心的なコンテンツ。

音声は「QRコードを読み取るだけの簡単ストリーミング再生」と「パソコンへのMP3音声ダウンロード」に対応。昔のバックナンバーは音声CD付属。

日本の雑誌市場が凋落する中で、急成長した稀な学習誌。

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公式サイト → 多聴多読マガジン

大ヒットの理由

2000年代に多読学習の大流行があった。

ネイティブの子供向けに書かれた簡単な英文をたくさん読む。そうすれば、日本語に訳さずに英語のまま理解できるようになる、という触れ込み。

それまでインプット量が足りていない人が多かったこともあり、多読学習は有力な学習法となった。

そんな中で創刊されたのが、この多読多聴マガジン。

洋書Graded Readersをテーマにしただけでなく、音声CDを付けたことで大ヒットにつながった

Graded Readersの音声を多くの人が待ち望んでいたのだった。

英語力の向上に役立つことは間違いない

一言で、「多聴多読」というムーブメントを要約するなら、もっと英語レベルを落として、量をこなした方が英語力がアップする、ということ。

かんたんなレベルを大量に、というのは語学の王道である。

英語の知識量を競うのは受験英語の弊害であり、2000年代以降は多くの人が語学の王道に戻った。

中学英語レベルの英文をたくさん読んで、たくさん聞いて、たくさんリピーティング練習することになる。当然、実力は上がる。

よく出来た雑誌:1度買ったら毎号買いたくなる

多聴多読マガジンについて具体的に紹介したい。

2017年10月号を例に中身を見てみよう。

→ 多聴多読マガジン2017年10月号 (Amazon.co.jp)

多聴多読マガジンは、 単に英文が掲載されて音声がついている雑誌ではない。

英語の情報誌という側面があり、日本語によるコラムがたくさんある。

たとえば、2017年10月号は「ノンフィクション」がテーマなので、以下のようなコラムがあった。

  • ノンフィクションを読む・聞く
    • 尊敬すべき偉人や世界の物語について英語で読む・聞く!
    • 美しい写真と英語でめぐる、グローバル世界の諸問題!
    • 「へぇ~、そうだったんだ」を英語で実感・体験する!
    • 社会人のためのノンフィクション・ガイド
    • ノンフィクションから物語へ
  • ノンフィクションで学ぶ
    • 海外ドキュメンタリーの最前線
    • ビジネス洋書を読んで実践!
    • 世界最高のプレゼンを聞こう!

さらにごく短いリスニング素材として、マイケルサンデルの「市場経済と市場社会のちがい」、ケニーマクゴニガルの「痛みと苦悩のちがい」があった。

上記が、2017年10月号の特集となる。

このような内容からも明らかだが、多聴多読マガジンは子どものための雑誌ではない。ターゲットは社会人だと思われる。

英語をやり直したい社会人が、多聴多読するための雑誌である。

毎回の特集以外にも、「語源」や「洋書ガイド」についての連載もある。

とにかく英語の情報誌として面白いので、一度買ったら再来月も買いたくなってしまう。

リピーターがいるからこそ、多読多聴マガジンは急成長したのだろう。

難易度の異なる英文と音声

次に、多読多聴マガジンのメインコンテンツとなる英文(洋書)を見てみよう。

毎回、難易度が異なる英文が掲載される。ネイティブの小学校低学年が読む英語から、ページの後半にわたって徐々にレベルがアップしていく。

上記のように、ネイティブの小学校低学年が読む絵本からはじまる。

上記はノンフィクションもので、世界の歴史。Graded ReadersのLevel1なので、ネイティブの小学校低学年向けの英語レベル。

徐々にフォントが小さくなっているのがわかるかと思う。

上記は「アルプスの少女ハイジ」。Graded Readersのレベル2。ネイティブの小学2年生くらい。日本の中学2年教科書レベルくらい。

4つ目の英文は、「移民問題」の記事。今号はノンフィクションがテーマなので、硬派な内容が多い。

次に、「ワンランク上の快読快聴ライブラリ+」コーナー。英語学習のための英文ではなく、ネイティブ向けのペーパーバッグから抜粋する。

今回は、奴隷制度の経験を綴ったノンフィクション・ノベル。

今号はこのような内容となっている。もちろんすべてCD音声が付いて、リスニング・シャドーイングの練習ができる。

ちなみに、上記がすべてではない。このほかにも、スピーチやスターインタビューといった英語素材がある。

多聴多読というだけあって、十分すぎるほどのボリュームがある。

分厚い洋書を1冊渡されても飽きてしまうが、多聴多読マガジンなら各英文の量が限られているので読み通す気になる。

コンテンツの8割は中学英語レベルなので、英語力に自信のない人でも、充分に活用できる。

隔月刊というタイミングが最適

多聴多読マガジンは、2ヶ月に1度の隔月刊なのがいい。(奇数月6日発行)

毎月発行される月刊だと、多くの学習者は英語素材を消化しきれない。毎号購読する気がなくなってしまうはずだ。

2ヶ月に1度なら、英語が苦手な人でも十分に消化できるペースだ。

英語力のある人は、特集や連載コラムで紹介された洋書を試すこともできる

つまり、英語レベルを問わず当雑誌はペースメーカーになる。

当ページで多聴多読マガジンに興味をもったら、ぜひ一度手に取ってみてほしい。

旧刊の特集を見て、興味のある特集の号を買ってみるのもいい。

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