科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!

第二言語習得研究(SLA)の研究者が書いた英語学習法ガイド。数多くの論点を取り上げているので、英語学習の最先端がわかる。

独学で可能なメソッド、教室で行うメソッド、それぞれが区別なく紹介されているので、英語の習得そのものに興味のある人がターゲット。

「気づき」をもたらす英語学習

本書で紹介されている学習メソッドをいくつか紹介したい。

ディクトグロス
2人でディクテーションを行う。その際、お互いの文法力を駆使して、話し合いながら正解を目指す。
Focus on Form
パターンプラクティスのような”Focus on FormS”ではない。英文の内容を議論するコミュニケーション型授業”Focus on Meaning”をやりながら、必要に応じて文法解説を差し挟む。
プロセスライティング
ライティングにおいて、先生が何度も添削して改善案を出し、生徒は繰り返しリライトする。

これらのメソッドに共通しているのは、「気づき」を重視している点にある。

従来型の「正解を暗記する」という学習ではなく、「こうではないか」「あーではないか」と試行錯誤を繰り返させるのだ

生徒はそのプロセスで「気づき」の経験を繰り返し、使える英語を習得していくのである。

これは英語(外国語)に限らず、あらゆる分野において起きている指導法の変化かも知れない。どんな分野であっても、気づきのない(=腑に落ちていない:内面で消化されていない)知識は役に立たない。

上記3つのメソッドは、すべて複数人(生徒と生徒、または教師と生徒)で行う英語学習法になる。気づきの学習は、他者が必要なのだろう。

独学において「気づき」を重視した学習は可能だろうか。今後の重要なテーマになりそうだ。

英語コンプレックスは過去のものに

ところで、本書を読んで驚いたのは、最近の学生の変化である。

昔は、いざ英語を話すときに、緊張で固まってしまう学生が多かった。しかし最近は、自分のできる範囲でなんとか英語を話そうとする学生が多いという。

最近の若者は、英語を人前で使うことに恥ずかしさとか拒否感が少ないらしい。その理由には、教育カリキュラムの変化があると思われる。

2000年代初頭から中高の英語カリキュラムが大きく変わり、コミュニケーション重視の英語教育となった。その成果が早くも出ているのだろうか。

日本の英語学習者のイメージはだいぶ変わってきたことになる。

以前、「なぜあの人は、中学英語でもネイティブと仕事ができるのか?」をレビューしたが、その本に出てくるような「英語を使うシーンになると内気になる日本人」は少数派になりつつある。

しかし、今度は新しい問題が発生することになった。昔に比べると、英語の基礎力が低下しているという。英語の知識が足りないために、「通じればいい」というような不正確な英語が蔓延することになった

本書では、最近の動向を踏まえて、文法(基礎力)の重要性を繰り返し強調している。

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